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今ではパワプロの定番となった“マイライフ”が初めて導入され、プロ野球のレジェンドOBと勝負できる“対決!伝説選手”といった新要素が楽しめるなど、パワプロシリーズの“分岐点”と言っても良いパワプロ10。その中でも特に心を奪われたサクセスを語っていきたい。
今では人気キャラであり、お馴染みとなった友沢亮と橘みずきのデビュー作がパワプロ10である。特に友沢の存在感はすさまじく、打撃面だけでなく、ショートが本職でありながらも投手としての能力も高い。さらには、打撃フォームが当時の日本を代表するショート・松井稼頭央氏という、もはやサクセスで作りたくなるスペック。
友沢が印象的だった理由はその能力だけではない。以前のパワプロシリーズのサクセスでは、“猪狩守とのライバル関係”が一つの軸となって進行する。パワプロ10でも猪狩守は主人公の壁として立ちはだかるが、猪狩に並ぶ強力を持つ友沢の登場は、「サクセスはここから次の時代に進む」という決意表明のように感じた。
登場キャラだけではなく、選択できるチームも個性的。
さらに極亜久やんきーズを掘り下げると、極亜久やんきーズは他球団から選手を奪える。やや契約面が気になるこの“移籍”ではあるが、実際に当時プレーしていた強打者やエースだけでなく、猪狩や橘といった固定選手を奪えるなどやりたい放題。奪ってきた選手と一緒にプレーや練習が可能で、疑似的に憧れの選手と練習するという夢のような時間を過ごせる。
また、シーズン途中でアメリカへの野球留学というイベントは画期的。MLBのようにシングルスター・ダブルスター・レギュラーリーグの3ランクがあり、活躍すればランクが上がる。1年目にレギュラーリーグに昇格した場合、各ステータスがAやBが当たり前の一流選手の中に、平均ステータスがEかFの雑魚選手が混じる、という異様な光景が見られる。
他にも、三石琴乃さんの声を聞く度、作中に三石さんが声優を務めた人気スポーツ番組「パワスポ」のキャスターの希保田響子が今でも思い浮ぶ。現在の人生の基盤を作ってくれるほどの影響を与えたゲームであり、次々と語りたいことが溢れてくる、そんな素敵な作品だった。
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