キングオブコント」で4年連続決勝進出を果たし、昨年は過去最高の2位に輝いた本間キッド、中嶋享、ロングサイズ伊藤によるお笑いトリオ・や団。しかしネタ作り担当の本間は「優勝しないと2位から下は全部一緒」と言い切る。
笑いへの飽くなきこだわり、ネタ作りの流儀、そして5月29日から全国5都市を巡るツアー「巡業」の見どころを語ってもらった。(前後編の後編)

【写真】全国5都市を巡るツアーが始まるお笑いトリオ・や団の撮り下ろし【6点】

――トリオとしても、個人としても仕事が増えている中、ネタを作る時間はどうしているんですか。

本間 合間を見つけてという感じなんですが、ネタの話し合いをする先輩や仲の良い芸人がたくさんいるので、その人がいそうな喫茶店に行って相談に乗ってもらうなどして、徐々にブラッシュアップしています。

――たとえば、どういう芸人さんですか?

本間 有名過ぎて引いちゃうと思うんですが、「みちがえる」というトリオのたけしさんです。

中嶋 知らねーよ!

本間 あ、フリとオチを完全に間違えた。先に「有名過ぎて引いちゃうと思うんですが、たけしさん」と言って、「ビートたけしさんですか! すごいですね」と言われた後に、「みちがえるのたけしさん」が正しい回答です(笑)。

中嶋 それで今年のツアーのネタ作りは大丈夫かよ(笑)。

――中嶋さんと伊藤さんにネタの相談をするのは、どのタイミングなんですか。

本間 ネタができてから、それを見て3人で「こうしたらいいんじゃないか」「あっちがいいんじゃないか」と変えていきます。

中嶋 僕はネタが書けないので、主に意識しているのはキッドに優しくすることです。ファミレスにいたら、代わりにドリンクバーまでドリンクを取りに行くとか、ちょっとでも咳き込んだら体調を心配するとか(笑)。

本間 喫茶店なら背もたれがあるとか、トイレに行きやすいとか、一番いい席を譲ってもらいます(笑)。


――去年の「キングオブコント」は2位と過去最高の順位でしたが、どういうお気持ちでしたか。

本間 やっぱり優勝しないと2位から下は全部一緒なので優勝したかったです。

――今年決勝に進出したら5年連続で、ニッポンの社長の連続決勝進出記録に並びます。その記録を更新したい気持ちは?

本間 早く優勝して卒業したいです(笑)。1年間、常にキングオブコントを中心にネタ作りをしていますから。

――決勝のネタ選びはどうしているんですか。

本間 たとえば去年だと、一昨年の決勝2本目でやる予定だったネタが残っていたので、それをキープして。単独ライブをやっていると、新たに輝く1本が出てくるので3人で話し合って、賞レース用に調整していきます。

――どれを決勝の1本目に持ってきて、やれるか分からない2本目をどうするかの判断も難しそうですね。

本間 毎年担当のディレクターさんが一緒で、去年もどれを1本目にするのか事前に相談して決めていたんですが、2日前くらいに「やっぱり逆にしたいです」と伝えたら、絶対に予定通りのほうがいいと思ったみたいで、すぐに僕たちのライブ会場まで会いに来て、説得されたんです。結局その人の言った通りにやって2位だったので、周りの意見を聞いてよかったと思っています。だから直前まで順番を悩むということはないですね。


――去年はファーストステージで2位通過しましたが、その時点で優勝の手ごたえはありましたか。

伊藤 1位のロングコートダディと1点差だったので、ファイナルステージに残った時点で、いけるかもという期待はありました。

本間 正直、優勝賞金の1,000万円がちらついたんですが、雑念を振り払って。いつも通り3人で口合わせをして、ファイナルステージに臨んだんですが、笑いはいつも通りではなかったです(笑)。思っていた場所で、思っていた笑いが来なくて。

伊藤 ネタをやっている最中に「もうダメだな」と思いました。

――オンエアを見る限りはウケているように感じましたけどね。

本間 もう1つ2つバコーン! というのが欲しかったんですけど、平均的な笑いで終わっちゃって。次のロングコートダディにはバコーン! が2個くらいあったので、「これは負けたな」と。

――4年連続で決勝に出ている分、手の内やパターンが知れ渡っているという側面もあるかと思います。

本間 ある程度は手の内もバレていますし、連続で出ていると不利な面もあると思うんですが、結局パターンが一緒だろうが何だろうが、それを凌駕する面白さがあればいいんですよね。キングオブコントで勝つためにと形にこだわる時期も終わりました。
キャラクターも固定せず、広くネタを作れるようになっているので、それが変化として出てると思うんです。あんまり肩肘張らず、面白いと思うものを楽しくやっていれば、自ずと優勝に近づくと信じています。

――お茶の間にも3人のキャラが浸透しているのも利点ですよね。

本間 そうですね。「待ってました!」になる部分もあるし、「いつもと違って面白い」ってなる部分もあるし、やる方も見る方も毎年新鮮に見てもらえるのかなと思います。

――5月29日から、1年ぶりの単独ライブツアー2026「巡業」を全国5都市で開催します。

本間 ツアーの規模が広がっていて、日数も多いので、ツアー最終日の7月10日までにブラッシュアップされたり、前半で滑っていたところが急になくなっていたり、急に違うネタが入っている可能性もあります。そういう変化も見どころかなと思います。

――ツアーでは、初めて新潟と福岡に行きますね。

中嶋 両親が新潟出身で、僕も生まれは新潟。その縁もあって、新潟の番組に呼んでいただくことも多いので、いわば凱旋公演です。

伊藤 ただ福岡は営業で行ったことはありますが、縁もゆかりもないんですよ。
しかも福岡は地元文化で、ご当地タレントが天下を獲っていますからね。僕のカミさんが福岡出身なので、その辺の厳しさは承知しています。

中嶋 今のところ売り上げが一番緩やかなのも福岡だしね。

――伊藤さんの奥様のツテを使うしかないですね。

伊藤 いやぁ、カミさんの父ちゃん母ちゃんくらいしか呼べないですよ。

本間 かつての芸人仲間で、今は福岡に帰って醤油屋さんをやっている男がいるので、「商工会の人たちに、それとなく声をかけて、ごっそり連れて来てくれ」とは伝えています(笑)。なんとか福岡公演を成功させて、来年はもっと南にツアー先を広げていきたいんですけどね。

――福岡はラーメンの聖地なので、ラーメン好きの中嶋さんとしては食も楽しみじゃないですか。

中嶋 もちろん福岡までラーメンを食べに行ったことはあるんですが、まだまだ行きたいお店がたくさんあります。ただスケジュール的に、ゆっくり滞在できないので、営業時間との兼ね合いですね。リハと本番の間に行けるのかどうか……。海外のお客さんも知っているようなお店はめちゃくちゃ並んでいるので、そこをうまく避けて、行列のないおいしい店をちゃんとピックアップできるかどうかが今回の鍵ですね。


【前編】キングオブコント準優勝・や団、今年は個人仕事にも意欲「大悟さんのおかげ」
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