◆桜田ひより&木戸大聖W主演「モブ子の恋」
2017年から「月刊コミックゼノン」で連載を開始、現在はWEB漫画サイト「ゼノン編集部」で連載中の田村茜氏による漫画「モブ子の恋」(ゼノンコミックス/コアミックス)を実写映画化した本作。20年間、ずっと片隅で“脇役”として過ごしてきた田中信子に芽生えた、初めての恋心。積極的な行動が苦手な彼女だが、勇気を振り絞って一歩ずつ距離を縮めようと努力する。ドキドキの大きさに、主役も脇役も関係ない。“主役”の恋に飽きた人へ贈る、ささやかで爽やかな恋物語となっている。
桜田は人見知りで控えめな性格の女子大生、モブ子こと田中信子を、木戸は信子が初めて恋心を寄せ、同じスーパーでアルバイトをしている大学生・入江博基を演じる。
◆桜田ひより&木戸大聖、出演決定時の心境
― 本作の出演が決まったときの心境を教えてください。
桜田:元々原作を読んでいたので、演じたいと思っていた信子を演じることができるという嬉しさがありました。風間(太樹)監督とご一緒させていただくのは3度目(※)なのですが、どの作品もとても思い出に残っていて、自分が成長した部分がたくさんあったので、今回も新たな自分の一面を引き出しつつ、監督と一緒に素敵な信子を作り上げていけるように頑張りたいなと思いました。
※ドラマ「silent」(フジテレビ系/2022)、映画「バジーノイズ」(2024)に続く3度目
木戸:原作や台本を読んでいく中で、ラブストーリーをとったとしても、“脇役”と言われている2人が、時間をゆっくり紡いでいく作品は他にないなと思っていて。だからこそ、小さなところに2人の可愛い部分や愛おしい部分があって、見ているこっちが包み込みたくなるような感情を感じていたので、そこを2度目まして(※)の風間監督の演出の元、ひよりちゃんとしっかり演じなければならないという責任感がありました。
※ドラマ「海のはじまり」(フジテレビ系/2024)に続く2度目
― 再会した風間監督とはどのようなやり取りをしましたか?
桜田:私は「バジーノイズ」の番宣期間でも定期的に風間監督とお会いしていたので、あまり久しぶりだなという感じはなかったのですが、衣装合わせや現場での姿を見て、とても懐かしさを感じました。
木戸:僕も1年経たずしてご一緒させていただけて。「海のはじまり」のときより深く関わらせていただけるということを2人で喜んで、わくわくしたのを覚えています。
◆桜田ひより&木戸大聖のお気に入りシーン
― 本編を観た感想を教えてください。
桜田:原作が持っている登場人物の雰囲気がそのまま反映されていて、観てくださる方に「漫画から出てきて実際に生活していたらこんな感じなんだろうな」と感じさせるような、すごくナチュラルな世界に仕上がっていました。原作の良さを大切にしつつも、風間監督だからこそ描ける内面的な動きを、言葉のないシーンや表情で読み取っていただけるのが、この作品の魅力だと思います。
木戸:原作と風間監督が撮る映像の良さが掛け合わさったときに、他の作品にないくらい時間がゆっくり流れているんです。試写を視聴者目線で観たときに、ただストーリーを追いかけるのではなく、物語と並走している感覚になるのが新鮮でした。それはシーンの少しの間や余韻など、いわば“のりしろ”のような部分があることで、作品を観ながらも共感する時間が確保されていて、すごく主観的に自分と重ね合わせられるからです。それゆえに信子が物語の終盤にかけて変化できたとき、素直に拍手がしたくなるし、「自分にもこんなことがあったな」と思い出せる。映画館の座席でもそれを感じてもらえるのではないかなと思います。
― お気に入りのシーンを教えてください。
桜田:地面のひび割れたところやタイルの隙間に生えているシロツメクサが寄りで映るシーンがあるのですが、実は美術さんが1個1個丁寧にシロツメクサと三つ葉を配置しているんです。
木戸:僕が個人的に好きなのが、信子が頑張って笑う表情です(笑)。
桜田:撮影中もずっと言ってくださっていましたよね(笑)
木戸:砂場のシーンで入江くんがただ聞きたいからという理由で無頓着に、信子に質問したことがあって、それが実は信子を追い詰めてしまっていて。そこで信子が「あは」みたいに笑うんです。
桜田:台本には確か「ヘラっと笑う」と書いてあって。
木戸:そうそう!一見、台本の言葉だけだとイメージが掴みづらいのですが、ひよりちゃんの表情を見て「あ!この顔だ!」となりました(笑)。
桜田:擬音が体現されましたか(笑)?
木戸:そう(笑)。信子が自分のせいでその場の空気を崩したくなくてすごく頑張っているけど、追い詰められている。その絶妙な気持ちを体現されているひよりちゃんの笑顔がすごく注目!
桜田:注目ポイント(笑)?
木戸:そう(笑)!砂場の笑顔が好きです(笑)。
◆桜田ひより&木戸大聖、互いの演技の魅力
― 演じられた役柄についてどのように捉えていますか?
桜田:信子は自分のことを当たり前にいる“脇役”な存在として捉えている気がして。ただそれに対してすごく卑屈な気持ちやネガティブな感情を持っているわけでもなく、ただひっそりと自分の些細な楽しみを見つけて、前向きに懸命に生きている女の子です。
木戸:入江も感情を表に出すタイプではないのですが、信子と同じで、そこを卑屈に思っているわけではなく、それが自分だという風に認識している。だからこそ信子の気持ちもわかってあげられるし、わかってあげようと思うし、彼女の頑張りや変わろうという気持ちに、何か自分ができることはないかと悩む。でも吸収力はあるのに放出力が弱いという部分があって、信子とのシーンでは受けが多くなるのですが、映画のラストに向けては、彼の言葉で彼女を大きく動かす場面があるファミレスのシーンは、自分の中でキーにしていました。そのシーンまでは吸収した上でたまに出す言葉のタイミングが信子と合わなかったり、そのモヤモヤに葛藤したり、いい意味で我慢の時間が長くて。入江を演じる上で、とにかく視野を広く、そして信子の言葉1つひとつを聞き逃さないようにキャッチしようということを常に意識していました。
― お互いのお芝居を見て感じたことを教えてください。
桜田:入江くんは間接視野で見ていることがとても多くて、信子が知らない間に見てくれて、考えてくれて、動こうとしてくれて。それを信子は感じていないのですが、桜田的には感じていて、その演技が絶妙で、見守ってくれている温かさが自然と心に流れてくるんです。それってみんなが出来るものではないし、その温かさや居心地の良さ、包み込んでくれる優しさは、木戸さんだからこそ出せるものだなと感じていました。
木戸:今回信子があたふたするシーンが多くて、こんなにも動揺しているお芝居が上手い人は初めてだなと思いました。
― 桜田さんは入江に、木戸さんは信子にキュンとしたことを教えてください。
桜田:1番は眼鏡を取るシーンです。やっぱり眼鏡なしの入江くんというのは、眼鏡をかけている人ならではの胸キュンがあって。今までガラスを隔てて見えなかった目や表情を見られるのはなかなかないですし、私は個人的に寝顔が最高によかったなと思います。
木戸:たくさんありますが、気持ちが晴れやかになって大股で歩いているときのドヤ顔が可愛くて仕方なくて。みんなが「どうした?様子が違うぞ」となるくらいの(笑)。信子は恋愛をしなれていないからこそ、ハッピーなことが1個あったときに嬉しさが抑えきれなくなって、そのときの歩き方がすごく可愛くて。その後の入江と目を合わせるところの照れている感じもすごく好きです。
◆木戸大聖「素敵な人」と感じた桜田ひよりの行動
― 本作で感じた優しさについて教えてください。
桜田:それぞれのキャラクターが持つ温かさがストレートに2人に届いたり、形を変えて届いたりしていて。悪い人が一切出てこない作品は珍しいですし、周りの人が向き合ってアプローチしてくれたものに対して、2人が動かされていくのですが、相手を尊敬し思いやる気持ちがないと、その言葉はなかなか響かない。お互いが知らずして高め合えている存在なのかなと思っていて、ほかのキャストの方々に感謝しかないです。
木戸:キャストの方々のことは今ひよりちゃんが言ってくれましたが、「モブ子の恋」でもそうですが、エンドロールを見たときに、自分たちの名前が出た後に、本当にたくさんのスタッフさんの名前があって、改めて「これほど多くのスタッフさんに支えられていたんだな」と感じます。決してそのスタッフさんたちが“脇役”ということではないですが、自分たちがスポットライトの当たる場所に立つためには、輝かせてくれる環境やその場所を作ってくださるスタッフさんが絶対に必要で、たくさんの方の支えがあって僕たちは存在できるし、今回取材していただけたようにお仕事もできます。どの作品でも現場中ももちろんですが、完成した作品を観たときに改めて、スタッフさんがいるからこそ僕たちは現場に呼んでいただいてお芝居ができているというのを実感します。
― 本作では入江が次第に信子の静かな優しさに気づきますが、お2人が撮影を共にする中で見つけた自分だけ知っている相手の優しさを教えてください。
桜田:優しさの塊ですからね。
木戸:ありがとう(笑)。
桜田:木戸さんは相手の目を見てお話されるタイプだと思うのですが、その目がすごく穏やかなのが個人的にすごく居心地も良かったですし、魅力的だなと思いました。会話の中ですごく盛り上がったりとか、楽しかったりするのももちろん居心地が良い理由ですが、人が話しているときの相手に対しての感情はやっぱり目に現れるので、木戸さんの穏やかな気持ちや優しさを目から感じ取ったのが印象的でした。
― 現場で救われた瞬間は?
桜田:ずっとです!
木戸:えぇ!
桜田:信子を通してももちろんそうで、入江くんという存在は皆さんが思う以上にとても大きくて、1人のお芝居のシーンでも入江くんを思い出さない時間はないというくらい。
木戸:僕は結構衝撃でもあったのか、待ち時間にちょっとしたゲームで、クリアした方が欲しいものをもらえるみたいなことをやっていて、ひよりちゃんが勝って…。
桜田:勝ちました!
木戸:「何が欲しい?」と聞いて、何か物をお願いされるかなと思ったら、「木戸さんからのお手紙ください」って。驚いて「手紙でいいの?」と確認したら「手紙が良いです」と言ってくれて、たくさんいろいろなものがある中から手紙をチョイスするのが「なんて素敵な人なんだろう」と思いました。その次のゲームで僕が勝ったので「僕もお手紙ください」と言って、僕はてっきりクランクアップのときにお手紙を渡し合うのかなと。そしたらひよりちゃんが次の日に書いてきてくれて、「え!嘘!?」となって(笑)。
桜田:(笑)。
木戸:手紙の内容も素敵なんです!だから僕もその次の日にお返しさせていただきました。
桜田:個人的にお手紙を書くのもいただくのも好きで。お互いに励まし合いながら、作品を通して前向きに役と向き合えたのは、そういう些細なゲームや会話をたくさんさせていただいたからかなと思います。
◆桜田ひより、木戸大聖は「貴重な存在」
― スタッフの方からお2人の空気感が似ていると伺いましたが、本作で共演する中でお互いの印象はどのように変化しましたか?
桜田&木戸:おー!
桜田:テレビで拝見していて、木戸さんの言葉や笑っている姿で周りが温かくなるというか、すごくポカポカした気持ちになれるというのは第一印象からずっと変わっていなくて。その空気感が入江くんの柔らかさにも通じると思っていました。今回は1ヶ月ほどで撮影を終わらせるために、毎日の撮影スケジュールがかなり詰まっていたのですが、私自身、自分からコミュニケーションを取るのが苦手な部分もあるので、木戸さんが最初からたくさん話しかけてくださったり、話しやすい環境作りをしてくださったりしたことに救われました。本当にありがとうございます!
木戸:こちらこそです、本当に!僕もこんなに居心地の良い方はいない。ひよりちゃんは小さい頃からこの世界でお仕事をされていて、いろいろな方と関わるタイミングも早かったでしょうから、年齢関係なく同じ目線で話すことができました。ひよりちゃんは視野が広くて、本当に周りを見ているので、いろいろな人の変化に気づくこともできるし、出てくる言葉も素敵で、僕はむしろ自分の方が年下かと感じるくらい(笑)。現場でそうやって居てくれたからこそ、年上年下は関係なく、単純に同じ俳優として、居心地のいい仲間という形で過ごすことができたし、それはひよりちゃんだったからこそ。その延長で僕は入江を演じればよかったので、信子に対して頑張って演技をする必要がなくて、ひよりちゃんの素敵なところを信子に重ね合わせやすかったですし、すごく感謝しています。
― 距離が縮まったきっかけは?
木戸:自分からコミュニケーションを取るのが苦手ということを現場で聞いたときに、その時点でかなり喋っていたので、ひよりちゃんのその姿が全然想像できなくて。
桜田:嘘ついていると思っていました(笑)?
木戸:そう(笑)!
桜田:私のマネージャーさんの顔を見てください(笑)!嘘じゃないんです、本当に(笑)!
木戸:(笑)。他の現場でのお話を聞いていると「どういった会話をしよう」と考えているみたいなのですが、今回の現場での姿を基準にすると「悩むんだ」と驚いたくらいです。だから大きなきっかけはなくて、最初から話していました!
桜田:そうですね!最近はすごくありがたいことに、木戸さんも含めてコミュニケーション能力が高い方とお仕事させていただく機会が多くて。積極的に話しかけてくださって、打ち解けやすい環境を作ってくださる方に恵まれているからこそ、基本的に自分から話しかけることが苦手で。話しかける前に「相手がどのような人なのか」や「どのようなテンションで合わせたら居心地よくお喋りできるか」など、いろいろ考えてしまうんです。でも人に頼りっぱなしは良くないので、自分から話しかける努力をしようと思い、頑張って気合いを入れて挑むのですが、やっぱりどうしても上手くいかないときもあって…。だからこそ、ナチュラルに会話ができる方は私の中ですごくありがたいし、貴重な存在です。
― ありがとうございました!
(modelpress編集部)
◆桜田ひより(さくらだ・ひより)プロフィール
2002年12月19日生まれ、千葉県出身。幼少期からドラマ、映画に出演し、俳優として活躍。第47回日本アカデミー賞では「交換ウソ日記」で新人俳優賞、第17回TAMA映画賞では映画「この夏の星を見る」「大きな玉ねぎの下で」で最優秀新進女優賞を受賞した。近年の主な出演作はドラマ「silent」、「家政夫のミタゾノ」(2023/テレビ朝日系)、「ESCAPE それは誘拐のはずだった」(日本テレビ系/2025)、映画「バジーノイズ」(2024)、「ブルーピリオド」(2024)など。現在は劇場版「TOKYO MER~走る緊急救命室~CAPITAL CRISIS」(8月21日公開予定)などが控えている。
◆木戸大聖(きど・たいせい)プロフィール
1996年12月10日生まれ、福岡県出身。2017年俳優デビュー。2018年から3年間、NHKBSプレミアム「おとうさんといっしょ」にレギュラー出演。Netflixシリーズ「First Love 初恋」(2022/Netflix)にて佐藤健演じる主人公の青年役で一躍注目を浴びる。2023年、映画「先生!口裂け女です!」で映画初主演、「僕たちの校内放送」で連続ドラマ初主演。近年の主な出演作は「ゆりあ先生の赤い糸」(2023/テレビ朝日系)、「9ボーダー」(2024/TBS系)、「海のはじまり」、映画「ゆきてかへらぬ」(2025)など。7月スタートの読売テレビ・日本テレビ系新日曜ドラマ「一次元の挿し木」に前原幹夫役で出演が控えている。
◆「モブ子の恋」クレジット
「モブ子の恋」6月5日(金)全国公開
配給:イオンエンターテイメント、東京テアトル
(C)田村茜/コアミックス(C)映画「モブ子の恋」製作委員会
【Not Sponsored 記事】

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