俳優・畑芽育と志田未来がW主演を務める、ABCテレビ・テレビ朝日系日10ドラマ『エラー』(毎週日曜 後10:15)が、5月31日に最終回(第8話)放送を迎える。オリジナル脚本を手がけた弥重早希子氏のロングインタビューが届いた。


 同作は、とある女性を死なせてしまった中田ユメ(畑)と、その女性の娘・大迫未央(志田)が真実を知らないまま友情を育むストーリー。本来なら心を通わせるはずのない2人が、罪と友情の狭間で揺れ動き…。ユメと未央を軸に“エラー”ばかりのキャラクターたちの日々が、奇妙にも生々しく描かれ、藤井流星(WEST.)、坂元愛登、北里琉、原田龍二菊川怜榊原郁恵栗山千明らが好演した。

 ドラマのキャッチコピーは「取り返しのつかない過ちが存在する」。果たして、先が全く読めないと話題になったヒューマンサスペンスのラストはどうなるのか。

■シリアス展開から一転→明るいシーンの意図・裏話

――第1話にイカ、2話目にカニが出てきて、シリアスなシーンから一転して流れた「社歌」も話題になりました。これらをめぐる裏話はありますか?

イカもカニも、私はあくまで脚本として必要なイメージから入れていたんですが、4話までに登場する食べ物シリーズは密かに尻取りになっています。脚本協力の大塚祐希さんが、3話のプロットに餃子を入れてくださったんですね。ここは元々「地獄でカオスの食事会になる」という展開を伝えていただけだったので、餃子良いな!と思いながらもなんで餃子にしたんですか?と聞いたところ、「ニから始まる食べ物、ニラにしようと思って」と言われて、その時初めて、あ、これ尻取りだったんだ、と知りました。4話で登場する食べ物は「ラーメン」で、これは私が最初から決めていたんですが、奇しくも、ニラからラーメンにつながりました。5話で2人の関係がガラっと変わることを考えると、4話で「ん」がついて詰んじゃったっていうのも偶発的でしたが、大塚さんに提案いただいた餃子もあの歪なシーンにとても合っていたし、尻取り的にもうまくいきました。

社歌に関しては、実は私が作詞と作曲もしています。
6話を書いている時に、ここでいきなりものすごく明るく不釣り合いな音楽を流したいと思いました。未央やユメの地獄や悲しさがより浮き彫りになるなと思ったので、2人の関係を皮肉るような、「友達」とか「なかよし」というワードを入れたいと思って、実際、歌いながら脚本を書きました。趣味でピアノを弾くので、6話を描き終えた時にピアノでも弾いてみたんですよ、とプロデューサーの松崎さんにお伝えしたら、「それ送ってください!」と言われ、お遊びで送ったところ、演出の的場さんも気に入ってくださり、使っていただきました。

――最終回も一筋縄ではいかなそうです。ずばり見どころを教えてください。

登場人物全員の会話劇、でしょうか。8話はいろんな人がいろんなことを言い出します。そして答えのない問いを、とても乱暴に、だけど同時に、とても誠実に考え始めます。ドラマとしてはもちろん8話で完結していますが、登場人物たちの物語はある意味、ここから始まっていくのではないかなとも思います。

いわゆるハッピーエンドとは違うかもしれません。それでも「マイナス×マイナス=プラス」みたいなイメージで作りました。ユメと未央の友情はどうなるの?という問いに対しては、書き手としては答えを持って書きましたが、皆さんなりに、自由に見届けていただけたらと思います。


■最初から見直すと「全然違う見方になったりするかも」

――単純なミステリーではなく、細かな描写など、あらためて見直すと深みが増す作品だと思います。また、これから見逃し配信で楽しむ視聴者へ、実は…というのがありましたら、メッセージも含め、教えてください。

1つのシーンや出来事に対して、それぞれの登場人物が表の意味とは別に裏の意味を持っていたりする箇所があったりするので、いろいろな人物の視点で見てみたり、あるいは、同じ人物でも別の意図を探して見たりした時に、全然違う見方になったりするかもしれないとは思います。一見、ハッピーに見えるシーンだけど、よくよく考えると……?みたいなことを思って見ていただくのも面白いかもしれません。でも、とにかく自由に見ていただきたいなと思っています。

『エラー』の脚本作りにおいて印象的だったのは、とにかくプロデューサーの皆さまや脚本協力の大塚祐希さんをはじめ、思ったことを自由に喋りながら作っていったことです。もちろん大きな軸はありますが、それぞれの考えや意見がごちゃ混ぜになっているからこそ、いろいろな見方ができる物語になったのではないかなと思っています。私の意図を尊重していただきながら、そのような現場にしていただいた皆さまに本当に感謝しています。

私自身がネガティブなので、ドラマや小説などを読む時に、綺麗事ではない言葉をこっそり打ち明け話のように投げてくれる物語に救われてきたと思っています。『エラー』が誰かにとってのそういう物語になれたかどうかは分かりませんが、こういう人もいるんだ、こういうことを思ってもいいんだ。どうしようもなく心細い時に、そんなことを思える物語を書きたいと思いながら作ったドラマだと思います。『エラー』を見ていただき、ありがとうございます。
最終話まで自由に見届けていただけたらうれしいです。
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