※本稿は、児玉光雄『大谷翔平の思考法 「できない」を「できる」に変える』(アスコム)の一部を再編集したものです。
■ホームランを狙う者が大成する
2016年シーズン前、大谷選手はその年の目標についてこう語っています。
「20勝&20本です。20勝は軽く言える数字ではないですし、1年目じゃ言えなかった。
20勝して20本打てば、日本一にも近づくんじゃないかと思いますし、そう言って喜んでもらえるなら言いますよ」(『不可能を可能にする 大谷翔平120の思考』ぴあ)
大風呂敷とワクワクするような目標設定は紙一重なのです。日本の社会では、まだまだ「目標実現」を重視します。しかし、それを優先すると、小さな成功で満足してしまいます。結果、組織のモチベーションの最大化も期待できません。
多くの心理学の実験によれば、控え目な目標設定で目標実現を優先するグループのリーダーは、メンバーに舐められるだけでなく、それ以降メンバーは、そのリーダーの指示に従わなくなるという結果が出ているのです。
日本人と欧米人の思考パターンの違いはいくつかありますが、減点主義の日本人と加点主義の欧米人、というのもその1つでしょう。たとえば、少年野球の現場で日本のコーチは、「選球眼を鍛えて四球を選んで塁に出ろ!」と、アドバイスします。
■欠点は修正しなくていい
確かに、ミスを最小限に減らしてなんとか塁に出る選手は、一定の成果を上げることはできますが、大きな成果を上げることは不可能です。
一方、欧米のコーチは、「三振してもいいから思い切りバットを振ってこい!」と、アドバイスします。失敗を厭わず、果敢に行動に出る欧米の選手は三振も多い反面、ホームランも多いのです。
どちらが大きな成果を上げることができるか。もちろん、後者であることは言うまでもありません。三振という失敗とホームランという成功を天秤にかけて、ホームランを打つという大きな成果を求め続ける選手こそが大成するのです。
欠点を修正しても、それは武器にはなり得ません。得意なもので勝負することに命を懸ける。それこそが、その人間の武器になり、大きな成果を上げる大切な要因なのです。
欧米のビジネス界では、「生きているうちに達成できるような目標の水準は低過ぎる」という教えが浸透しています。大事なことは「目標を実現すること」ではなく、「グロスの成果を最大化するような目標を掲げること」なのです。
■2番目の得意技は評価されない
なぜ大谷選手が超一流のメジャーリーガーになり得たか?
それは執拗なまでに「メジャーリーガーになりたい!」というミッションを強く意識して、自分の人生のほとんどの時間をかけて追い求めたからです。
この世の中には、強力な成功法則が存在します。それは、あなたが評価されるのは、あなたが一番得意としているスキルだけ、という事実です。言い換えれば、あなたの2番目の得意技はまったく評価されないのです。
最大の得意技を洗練させることに、自分にとっての最大の資本である人生の時間をどれだけ注げるか、それこそが成功を手に入れる生命線なのです。このことについて、大谷選手はこう語っています。
「いいバッティングをしたい。いいピッチングをしたい。それをいつも望んできました」(『大谷翔平 二刀流の軌跡』辰巳出版)
あなたにとって世の中に誇れる最大のスキルは何でしょう。もしもそれがなかったら、最大のスキルにしたいものは何でしょう。それをスマホのメモ機能かスケジュール帳に1行で記入しましょう。
■「二刀流」という一点突破
この世の中で自分の存在を認められたかったら、得意なことにあなたの全エネルギーを集中させてください。
これほど単純で強力な成功法則はないのです。炎天下に新聞紙を置いても燃えることはありません。しかし、凸レンズで太陽光線を集めると、新聞紙は簡単に燃え始めるのです。
大谷選手の最大の武器は二刀流です。そのことについて、大谷選手はこう語っています。
「両方やることは大変だとよく言われますけど、単純に練習を2倍やるわけではありません。トレーニングで言えば、投手と野手、両方に共通するようなメニューを一貫してやる。技術的な部分では、ピッチングもあればバッティングもあるので、その2つをやらないといけないですけど、単純に練習量が増えるというわけではないんです。みなさんが考えている以上に効率よく練習をしていました」(『道ひらく、海わたる 大谷翔平の素顔』扶桑社)
大谷選手は投手と打者、2つを追い求めているように見えて、実はその2つは関連して成熟していくものなのです。
■過去の成功が未来の成功を呼ぶ
大谷選手は「メジャー最高のバッターやピッチャーになる」という大まかなテーマを持って臨んでいるわけではありません。それはあくまでもご褒美であり、テーマではないのです。大谷選手のテーマはたくさんあるのです。
たとえば、それらは「メジャー最高のスイーパーを投げて打者を三振に討ち取るピッチャー」であり、「飛んできたボールをバットの芯で捉えてバックスクリーンに放り込むバッター」です。
大谷選手が「マンダラチャート」(目標達成シート)を使っていることは有名ですが、私も「夢実現ノート」(図表1)というものを作成して、多くの学生さんやビジネスパーソンに活用してもらっています。
このノートの特徴は、あなたの過去の成功体験を意識しながら、実現したい夢に向かって具体的な行動を取るために作成されたものであるということ。
まず一番上にあなたが過去に体験した「素晴らしい瞬間」を記入しましょう。日々その瞬間を思い出す習慣を身につけることにより夢に向かって行動する意欲が湧いてくるのです。
次にあなたが実現したい夢をできるだけ具体的に記入しましょう。そして、3番目にその夢を実現するための具体的な行動をリストアップしてください。
この用紙を活用して、テーマを絞り込めるだけ絞り込んで、それを深掘りしましょう。これこそ、この競争社会で勝者になる必須の要素なのです。
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児玉 光雄(こだま・みつお)
スポーツ心理学者
追手門学院大学スポーツ研究センター特別顧問。京都大学工学部卒業後、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)工学修士。『逆境を突破する技術』『上達の技術』『一流の本質』など著書多数。
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(スポーツ心理学者 児玉 光雄)

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