本格的な春の到来に伴い、中国各地ではたくさんの人が花を見に出かけるようになり、花見人気が高まり続けている。中国国営メディアは人気を受けて、春の旅行目的地が多様化し、多くの新業態が登場して「春の経済」も活況を呈していると伝えた。

中国網が紹介した共産党機関紙・人民日報の電子版の記事によると、河南省洛陽市では市内の至る所でボタンの花が咲き、ボタンの香りが漂っている。市内各地にあるボタン観賞園では数百種類のボタンが競うように美しい花を咲かせている。

開催中の第43回中国洛陽ボタン文化フェスティバルの会場で、江蘇省から来た観光客の楊欣(ヤン・シン)さんは「神都・洛陽に咲き誇る花を見るためにやって来た。漢服を着て、古都を散策するのは新鮮で興味深い体験だ」と話した。

雲南省曲靖市羅平県では約6万7000ヘクタールに及ぶ菜の花畑が満開を迎え、金色の「花の海」と遠くのカルスト地形の山々が引き立て合い、絵のような景色を織りなしている。

同程研究院のまとめた研究報告書によると、春の旅行先として人気の観光地にとって最も集客力があるのは花見で、「写真映え」が旅行先を決める際の最も重要な要因だ。青い空、緑の大地、一面の花は中国版SNS・WeChat(微信)のソーシャル機能「モーメンツ」上で、セレモニー感と文化の香りを兼ね備えた「ソーシャルカレンシー」になっている。

花見人気で旅行先が多様化、「春の経済」も活況―中国
蓮花池公園

これまでと異なるのは、花見が他の要素と結びついて新たな消費シーンを派生させている点だ。洛陽市の花見イベントでは「花見+文化+双方向」の没入型体験として、文化や歴史の実演パフォーマンス、古代の衣装に身を包んで観光できる「古風巡遊」、花の中で詩を朗読するイベントなど、さまざまな新しい観光体験が登場している。

羅平県では一面の菜の花畑を活かして、観光用ミニ列車、星を眺められる民宿・民泊施設、花畑マーケットなどを打ち出し、これらが連携して没入型シーンを構築している。

中国観光研究院政策・科学教育研究所の韓晋芳(ハン・ジンファン)補佐研究員は、「花見経済はグルメ、パフォーマンス、無形文化遺産、ナイトツアー、民宿・民泊施設、文化クリエーティブ、スポーツ、ヘルスケアといった業態における消費シーンを開拓し、産業チェーンを延ばしている」との見方を示した。

韓氏は「若者はメーク・衣装付きの写真撮影、トレンド製品のショッピング、デジタル化された情報発信を好み、中年層はナイトツアーやパフォーマンスなどのコンテンツにより注目している。

高所得層はじっくり味わう旅や省をまたいで『花を追いかける』旅をより好む」と指摘した。

企業情報サイトの天眼査によると、中国には花見経済関連企業が811万社以上あり、2026年に入ってからだけでも新たに20万社が誕生した。(編集/日向)

編集部おすすめ