香港誌の亜洲週刊はこのほど、最近の日本では改憲派と護憲派のせめぎ合いが激烈になっていると紹介する、毛峰東京支局長の署名入り記事を発表した。以下はその主要部分を再構成したものだ。
5月3日の憲法記念日は、日本の改憲勢力と護憲勢力の対立が鮮明になる節目になった。東京の有明防災公園では「戦争防止1000人委員会」などの民間団体が主催する護憲派の大規模集会である「2026憲法大集会」が開催され、過去最多となる5万人の市民が参加した。日本共産党や社民党、れいわ新選組の代表も合流し、「改憲・軍拡阻止」や「憲法を守れ」といったスローガンを掲げてデモ行進を行った。
今年の集会は、従来の中高年層だけでなく若者や女性の参加が目立った点が特徴だった。主催者側は、この市民の関心の高まりについて、先の衆議院総選挙で自民党が単独で3分の2以上の議席を獲得し、高市早苗首相が改憲に向けた動きを急加速させていることへの強い危機感が背景にあると分析した。集会で演説した日本共産党の田村智子委員長は、改憲勢力が目論む自衛隊の憲法9条への明記は、権力に対する「最後の束縛」を取り払うものであり、断じて容認できないと強く訴えた。
一方で、日本では現行憲法が施行されてから79年間、国際的な武力紛争に巻き込まれることなく平和を維持してきた実績があるが、長期にわたり政権を担ってきた自民党にとって「自主憲法制定」は結党以来の悲願だ。安倍政権下でも成し得なかったこの悲願は、高市首相の誕生と「高市旋風」による衆院での圧倒的多数の獲得によって、一気に現実味を帯びてきた。改憲には「衆参両院でのそれぞれ3分の2以上の賛成」「国民投票での過半数の賛成」という複数の高いハードルが存在するが、自民党にとっては参議院においても国民民主党などの野党勢力の協力を得られれば、国会での発議に必要な議席の条件は整う状況だ。
高市首相は4月の自民党大会で、来春までに改憲発議の条件を整えるという具体的なタイムテーブルを提示した。さらに5月3日には、櫻井よしこ氏らが主催する改憲支持派の集会にビデオメッセージを寄せ、「「憲法は国の礎であり根幹であるからこそ、その価値を摩滅させないためにも、時代の要請に合わせて本来定期的な更新が図られるべき」」と主張した。自民党が掲げている改憲案は、「自衛隊の明記と自衛措置についての言及」「大震災発生時など緊急事態条項の創設」「参議院の合区解消(各都道府県から1人以上を選出)」「家庭の経済事情に左右されない教育環境の充実」の4項目だ。
今後の最大の焦点は、護憲派の市民運動が社会全体の強力な世論を喚起し、中間層を取り込んで国会や国民投票での改憲の動きに「ブレーキ」をかけられるかどうかだ。最新の共同通信社の世論調査によれば、平和憲法の中核である第9条の改正については賛成が50%、反対が48%と世論は完全に二分されている。しかし同時に、回答者の7割以上が「与党単独での推進ではなく、党派を超えた幅広い合意を築くべきだ」との考えを示した。
危機を理由に国家の権力拡大を図るべきではないと警戒する護憲派と、時代の変化に合わせた憲法の更新を主張する改憲派の激しい対立の根底には、日本がどのように「普通の国」と「平和国家」のあり方を追求していくのか、またその過程において民主主義や基本的人権といった価値観の制約をどこまで維持するのかという、国家の根幹に関わる重大な問いが存在している。(翻訳・編集/如月隼人)











