サムスン電子中国法人の公式サイトは6日に公告を発表し、中国市場でテレビやモニターを含む全ての家電製品の販売を停止することを明らかにした。これを受け、「サムスン中国市場撤退」を巡る議論が起こった。
サムスンの発展プロセスを全面的に分析すると、今回の動きは単なる撤退ではなく、サムスン自身の戦略的モデル転換であることが分かる。さらに言えば、これは中国の外資導入構造のモデル転換であり、グローバル産業チェーンと中国の経済発展の大きな変化を映し出している。
サムスン自身の戦略的モデル転換
サムスンの2026年第1四半期(1-3月)決算を見ると、営業利益は前年同期比で756%も増加して57兆2000億ウォン(約5兆7200億円)に達し、25年通年の43兆6000億ウォン(約4兆3600億円)を一気に上回った。
そのうち半導体産業がめざましい業績を上げており、営業利益は前年同期の48.82倍という爆発的な伸びを示して53兆7000億ウォン(約5兆3700億円)に達し、同社の営業利益全体に占める割合は93.4%だった。
これと対照的なのはサムスンのモニター・家電業務で、営業利益は同33.3%減の2000億ウォン(約200億円)に落ち込んだ。
現在、グローバル家電市場では競争が日増しに激化し、特に中国市場では、TCL、美的、海爾(ハイアール)などの中国ブランドが台頭し、サムスンの家電製品の持っていた優位性と収益力が大幅に低下した。中国ブランドは製品のコストパフォーマンスに一層の優位性があるだけでなく、スマート化やローカライズされたサービスネットワークなどの部分でも海外企業には容易に乗り越えられない競争の壁を築いている。
サムスンが中国市場で家電事業から撤退するのは、理性的で正常な戦略調整によるものであり、企業の持つ資源をより競争上の優位性を備えた分野へと振り分けることなのだ。
中国の外資導入構造のモデル転換
サムスンは中国から撤退するのではない。今回の動きは中国の外資導入構造のモデル転換を如実に示す一つのケースだ。
サムスンはさまざまな事業分野で戦略的調整を行っているが、それと同じように今回の撤退は戦略的なものだ。サムスンの家電は中国市場から撤退するが、サムスンの中国における先端製造と研究開発の取り組みは引き続き強化される。25年末現在、サムスンの対中投資額は累計550億ドルを超え、うち最先端産業への投資が90%近くを占める。
サムスンは2月に蘇州工場で超音波診断装置の量産を開始し、先端医療機器生産ラインを新設した。18年には、系列のサムスン電機が天津に世界最先端のMLCC(積層セラミックコンデンサ)工場を建設し、サムスンのこの分野における主力生産拠点の一つになった。また、サムスン西安チップ工場はサムスン電子の海外における重要なフラッシュメモリ生産拠点だ。
サムスンの中国事業配置の調整を通して、中国の外資導入構造の大きな変化を見ることができる。外資が中国に進出するときに求めるものは、もはや生産要素のコスト面の優位性ではなくなり、今では中国の巨大な市場、整った産業チェーン、優れた人材資源、イノベーション環境に焦点を当てており、先端製造と科学技術イノベーションの分野へのシフトを加速させている。
25年の中国の科学研究と技術サービス分野の実行ベース外資導入額は中国全体の外資導入額の約5分の1を占め、その割合は7年連続で安定的に上昇して18年の3.8倍になった。25年にこの分野で新たに設立された外資系企業は前年比27.2%増の1万4000社だった。最近はロシュ・ダイアグノスティックス、アストラゼネカ、フィリップス、ポルシェ、シュナイダーエレクトリックといった多国籍企業が中国に研究開発センターを設置している。
サムスン電子の中国での家電事業からの撤退は、外資が中国から撤退することを示すサインではなく、企業の戦略的モデル転換と中国の産業高度化の双方向の流れがもたらした結果だ。(提供/人民網日本語版・編集/KS)











