リンゴ・スターがささやかなビートルズの再集合を実現した。ポール・マッカートニーにジョン・レノンの楽曲「グロウ・オールド・ウィズ・ミー/Grow Old With Me」での演奏を頼んだのである。この曲は、10月25日にユニバーサル・ミュージック・エンタープライズから発売されるリンゴのニューアルバム『ホワッツ・マイ・ネーム』に収録されている。
「グロウ・オールド・ウィズ・ミー」はレノンが他界する直前に作った1曲で、彼の死後1984年にリリースされたオノ・ヨーコとの共作『ミルク・アンド・ハニー』に収録された。プロデューサーのジャック・ダグラスからレノンの「Bermuda Tapes」を聞いたことがあるかと言われたのがきっかけで、リンゴはこの曲のレコーディングを思いついたと言う。「Bermuda Tapes」とはレノンが1980年に録音したデモ音源集だ。
この曲に関して「一生懸命じょうずに歌ったよ」と、リンゴが声明の中で述べている。「こんなふうにジョンのことを深く思うと込み上げるものがあるし、私は最善を尽くした。バンドのメンバーも最善を尽くした。もう一つの朗報は、この曲ではどうしてもポールに演奏してほしかったから、彼に聞いたら快諾してくれたことだ。ポールがスタジオに来てくれて、ベースを弾き、私と一緒に少し歌ってくれた。ジョンの曲だから、この曲にはジョン、私、ポールの3人が共存している。
アルバム『ホワッツ・マイ・ネーム』の詳細を公表したことに加え、スターは同作品のタイトルトラックも公開した。これは長年オールスター・バンドのメンバーを務めているコリン・ヘイが作った曲だ。スターのライブで頻繁に演奏されるタイトルとフックを入れ込んだ楽曲「ホワッツ・マイ・ネーム」は、ロックンロールらしい躍動的なパワーが炸裂し、スターは自慢気にこれまでのキャリアを振り返る。そしてスターは「まあな、俺はネパールからネバダ州レノまで、何もかも頂上から見下ろしていた/落ちたこともあったし、壁も這い上がったし、今じゃそんなことはどうでもいい/ものごとは変化するけど、俺は相変わらず現役だ/俺の名前は何だ? リンゴだ!」と歌う。
アルバム『ホワッツ・マイ・ネーム』は、2017年の前作『ギヴ・モア・ラヴ』に続く20枚目のスタジオ・アルバムだ。マッカートニーとヘイ以外にも、ジョー・ウォルシュ、ベンモント・テンチ、エドガー・ウィンター、スティーヴ・ルカサー、リチャード・ペイジ、ウォーレン・ハム、ウィンディ・ワグナーなどが参加している。このアルバムがレコーディングされたのはスターの自宅スタジオであるロッカベラ・ウェストで、伝統的なスタジオよりも親しい雰囲気を作りやすいとスターは言う。
「もう昔ながらのレコーディング・スタジオで作業したくないよ。あのデカいガラスで仕切られたスタジオで作業するのはもう十分過ぎるくらいやったから。このスタジオでは来た人が全員一つの場所で演奏するんだ。