◆JERAセ・リーグ ヤクルト4×―3巨人(18日・神宮)

 念願の一打を放っても、山瀬慎之助捕手(24)に笑顔はなかった。「勝たなかったら意味ないですね。

それだけです。勝ったらなんでもいいんですけど」。幼なじみの奥川から一時勝ち越しの適時打を放つもサヨナラ負け。ただ白星が欲しかった。

 同点の4回2死一、二塁。カウント1―2と追い込まれながらも高めの直球を振り抜くと、打球は右前にポトリと落ちた。二塁走者の泉口が生還。「(奥川には)小さな頃からやられてばかりだったので、チャンスで一本打つことができてよかったです」と振り返った。

 奥川との出会いは6歳の時。石川県かほく市の宇ノ気小学校1年生の時に同じクラスとなった。ともに2年で「宇ノ気ブルーサンダー」に入り、4年時に初めてバッテリー。全国中学校軟式大会で日本一。

星稜高では2年春から4季連続で甲子園に出場し3年夏には準優勝。互いにプロ入りして7年目。ようやく1軍で初対決が実現した。

 今ではプライベートで会うことは多くないが、家族ぐるみの仲で共通の友人も数え切れない。別の試合に同時に出ているときは地元の友達がスマートフォンを2つ並べてそれぞれの雄姿を見守っている。「まだ1軍では対戦していない。できたら」と願い続けた打席だった。

 記念すべきヒットを放つも、安打はこの1本だけ。今季4度目の先発マスクをかぶったが、まだ白星はない。「勝てないので。悔しいですね」。次は打って守って、チームを勝たせてみせる。

(臼井 恭香)

編集部おすすめ