◆JERAセ・リーグ DeNA1―4巨人(26日・横浜)

 巨人がDeNAに連勝してカード勝ち越しを決め、貯金を今季最多の4とした。先発の井上温大投手(24)は大先輩の田中将、則本から学んだ“メリハリ投球”で6回3安打1失点(自責0)の好投。

2勝目を手にした。ともにDeNAからの白星で一昨年から6連勝と“ベイキラー”ぶりを発揮。打線も岸田行倫捕手(29)の2試合連続適時打などで小刻みに加点。首位阪神との差も1・5に縮まり、28日の広島戦(東京D)から、ゴールデンウィーク(GW)9連戦がスタートする。

 声に出し、井上は自分に言い聞かせた。「勝ってる、勝ってる」。安打と味方の失策で1点差に迫られ、なおも2死一、二塁のピンチ。「冷静に落ち着いて、低めに投げることができた」。一打同点の場面で迎えたビシエドを三ゴロに仕留めると、思わず感情があふれ出た。「ヨッシャ~!」。左拳を突き上げ、腹の底からほえた。

 ギアチェンジを駆使した。

2敗目を喫した前回19日のヤクルト戦(神宮)では4回2/3を3失点で7奪三振。力でねじ伏せてきたが、この日は6回1失点(自責0)で三振は3つだけ。「2ストライクを取ったら三振を狙っちゃうんですけど、きょうは早いカウントで前に飛ばして結果を出させようというつもりで」。18個のアウトのうち、併殺打を含め実に14アウトが内野ゴロによるもの。追い込む前は打たせて取り、追い込んだら三振を狙うメリハリの効いた投球で、球数は前回の5回途中86球から6回86球に“効率化”された。

 きっかけは田中将、則本の姿だった。「同じ真っすぐでも変化球でも、強弱をつけて投げたりというのを見ていて」。これまではどの球も全力投球。ベテランの投球術が新鮮に映った。すぐに動いた。トレーニングが重なるタイミングを見計らって、すかさず質問攻め。「なるべくどこかで楽な部分をつくる。

そうすると投球も楽にできるよ」。アドバイスを受け早速、実践した。この日は143キロから最速152キロまでの直球を投げ分け「試合で表現できて良かった」。阿部監督も「いい意味で力が抜けていい投球ができていた」と“ニュー温大”を評価した。

 プロ生活も7年目。オンオフもメリハリをつけて過ごしている。「あんまり飲まないようにはしているんですけど…」。つかの間の楽しみはスターバックスの期間限定ドリンク。憩いのひとときを過ごすのがちょっとした楽しみだ。最近では、限定販売されているコーヒーゼリー味のフラペチーノを堪能し「おいしかったです」と笑った。グラウンド内外の切り替えも、この日の好投に生きたのかもしれない。

 DeNAとの通算対戦成績は6勝1敗で6連勝の“ベイキラー”だが、キャリア初の2ケタ勝利へ、ベンチではいつも通り気付いたことなどをノートに記し、次戦以降に備えることも忘れなかった。

「きょうは勝ってると言い聞かせながら投げてうまくいった。それを次につなげられるように」。勝利への貪欲な思いはいつだって、井上の心の中で燃えている。(北村 優衣)

 ◆高木豊Point 井上は、点差などに縛られず、自分の力を出し切るという一貫した姿勢が見えた。門脇のエラーが絡んだ6回のピンチは、去年までなら「絶対ゼロで抑えなきゃ」と力み返っていただろうが、三森の適時打の後は淡々と抑えた。ピンチでも、きわどい判定でも表情を大きく崩さない。喜怒哀楽の振れ幅が減っている。メンタルをコントロールする精度が高くなっているね。(スポーツ報知評論家・高木 豊)

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