◆JERAセ・リーグ 阪神3―5巨人(1日・甲子園

 巨人・田中将大投手(37)が阪神戦(甲子園)で6回途中3失点、移籍後最多となる8奪三振の粘投で、今季3勝目を挙げた。日米通算203勝となり、黒田博樹に並ぶ歴代2位となった。

打線も2回に平山の2点打で先制。3回には2試合ぶりのスタメンとなった4番ボビー・ダルベック内野手(30)の阪神戦4発目となる左越え3ランで突き放し、終盤の小刻みな継投で反撃をしのいだ。同一シーズンでは19年以来の甲子園3連勝で貯金を今季最多タイの4とし、首位・阪神に1・5差に迫った。

 手放しで喜ぶことはしなかった。自身13年ぶりの開幕3連勝も、田中将に笑みはなかった。「苦しい投球でリリーフに託すしかなかった。直球の制球が定まらなかった」。6回途中104球で3失点。3点リードの6回1死満塁で降板し、船迫の火消しに救われた。「本当、みんなに勝たせてもらいました」と頭を下げた。

 初回1死満塁の大ピンチを投ゴロ、空振り三振で脱出。序盤の粘りが5点の援護につながった。

奪三振は巨人2年目で最多の8。4月16日に続き、甲子園で白星を挙げた。3回に2失点した直後はグラブで顔を覆い、ふがいない自分にカツを入れた。ギアを上げた5回は佐藤、大山を連続K。日米通算203勝目を手にした。

 肩を並べたのはメジャー挑戦1年目にヤ軍で同僚だった黒田氏。「うれしいですよ。ただ、数字上で並んだだけです」。その言葉に最大限の敬意が詰まっていた。実は登板前夜。遠征への荷出し中に、解説で東京Dに来場した先輩とばったり遭遇。ベンチ裏で激励された。

 7回途中0封と好投しながら勝利投手になれなかった4月24日のDeNA戦(横浜)後には、愛情たっぷりに「はよ(記録を)抜いてくれ」と連絡ももらっていた。「『いやいやいや(笑)』と。久しぶりにお会いすることができてうれしかったですし、ここ最近黒田さんを近くに感じていたので。並べて良かった」。記録の偉大さを改めてかみしめる1週間だった。

 今季は5登板全て敵地で快投。ビジターでの開幕3連勝も、楽天で24勝無敗を成し遂げた13年以来となった。バンテリンD、マツダ、甲子園、横浜、そして再び甲子園。毎回異なる条件下でも大崩れをしない。経験値と多彩な球種で翻弄(ほんろう)している。

 20年目にして新たな武器も手に入れた。超スローカーブ。

2月の宮崎キャンプがきっかけだった。「遅くていいから、投げてみて。バッターって(緩急で)抜かれると意外と嫌なもんだよ」。声の主は阿部監督。特に腕の振りが緩みやすいため長年あえて投げてこなかったが、指揮官に背中を押されて挑戦。あっという間にマスターした。

 データになかった球種が加われば、敵は意識せざるをえない。今季初登板で99キロ、前回95キロ。この日は今季最遅91キロと更に精度を上げて投球のアクセントにした。今季最多4四球は改善点だが、伝統の一戦は2戦2勝。明るい材料であり続けている。(堀内 啓太)

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