◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 2月、広島カープの日南キャンプ初日だった。「どこに行けばいいか分かりますか?」と聞かれた。

ドラフト1位ルーキー・平川蓮は初めてのキャンプ地で迷子になっていた。キャンプでは宿舎から球場まで徒歩か自転車で移動する。カメラマンがその光景を撮影するのは風物詩となっている。平川は小園海斗と一緒に移動していたが、球場前に集まったファン全員に対応していたため、取り残されてしまったのだ。

 実は私も日南キャンプは初取材で、選手の集合場所が分からず他社のベテランカメラマンに案内をお願いしていた。最初に聞く相手で“外れ”を引いてしまった平川だが、「教えていただきありがとうございます」とニコニコしていた。練習後に撮影を頼むと快く引き受けてくれ、「ヒーローインタビューの時も撮影をお願いしますよ」と気遣ってくれた。

 3月27日の開幕戦では「1番・中堅」でスタメンに抜てきされ、9回に同点二塁打を放って同期の勝田成とともに逆転劇の立役者となった。延長10回のサヨナラ勝ちの場面では、自分が打ったかのようにほえまくっていたので、夢中でシャッターを切った。撮影した写真はびっくりするほど迫力があり、絵になる選手だと思った。

 キャンプで迷子になっていた平川がプロデビュー戦でヒーローインタビューを受けたのがうれしい。今季、注目して撮影しようと決めた選手になった。

キャンプ初日にお願いして撮った写真が紙面でボツになったのはココだけの話だ。(写真担当・岩田 大補)

 ◆岩田 大補(いわた・だいすけ) 夕刊スポーツ紙で14年間の勤務を経て2022年入社。パリ五輪やWBCを取材。

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