大相撲 ▽夏場所5日目(14日、両国国技館)

 東前頭13枚目・琴栄峰が西同14枚目・狼雅を寄り切り、5連勝とした。兄の新関脇・琴勝峰は昨年の名古屋場所で優勝を経験。

3代目若乃花貴乃花以来で史上3組目となる兄弟幕内優勝へ、序盤戦を無敗で駆け抜けた。大関復帰の霧島は東前頭3枚目・平戸海をすくい投げで下して5連勝。勝ちっ放しは霧島と琴栄峰の2人となり、小結・若隆景ら6人が1敗で追う。

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 引き締まった表情で琴栄峰は勝ち名乗りを受けた。立ち合いで狼雅に左前まわしを許した。それでも左差し、右おっつけで圧力をかけて前進。力強く寄り切った。「止まってしまったら強い相手なので、止まらないことを意識していた。左を取られたが、結果的に勝てて良かった」とうなずいた。平幕で唯一、無傷の5連勝にも「まだ5日。内容も良くないので、中盤で失速しないようにしたい」と冷静に話した。

 取組前に高々と足を上げる美しい四股で連日、国技館を沸かせている。

一回一回に集中することで集中力を高めるという意識があり、師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)は「あのような四股も体幹が強くないとできない。足腰や体幹の強さを対戦相手に見せつける意味もある」と狙いを明かす。幕内での活躍とともに、美しい四股は代名詞となっており「場所を追うごとに歓声が大きくなっている。うれしい」と喜んだ。

 春巡業中には、山響巡業部副部長(元幕内・巌雄)の指導も受け、四股の腰の下ろし方などを改善。「太ももが太くなって、お尻も大きくなった感じがある。鍛えてきた足腰を生かせている」と、下半身強化への手応えを口にした。本場所での四股も「いつも踏んでいる四股を少し高く上げているだけなので、そこまで疲れない」と話した。

 昨年名古屋場所は新入幕で、6勝9敗とはね返された。その後は番付運にも恵まれず、十両で3場所を過ごした。「幕内で取れる力をつけて戻ってこれたと思う」と、逆境も成長の糧とした。兄の関脇・琴勝峰は、昨年名古屋場所で初優勝を果たした。

昭和以降で兄弟優勝は2例。3例目の兄弟優勝へ、幕内在位3場所目で存在感を放ち始めた22歳が、中盤戦以降の主役になる。(大西 健太)

 ◇兄弟で幕内優勝 昭和以降、兄弟幕内力士となったのは琴勝峰、琴栄峰で11組目。兄弟で幕内優勝を経験したのは初代若乃花(10度)と初代貴ノ花(2度)、3代目若乃花(5度)、貴乃花(22度)の2組。

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