馬トク報知で過去の名勝負を当時の記事から振り返る【競走伝】。今回はモズメイメイが勝った2023年の葵Sを取り上げる。

究極のスタートダッシュでゲートが開いた瞬間、勝負は決まった。

 “フライング”を疑いたくなるようなロケットスタートに、スタンドがどよめいた。ゲートが開いた瞬間、モズメイメイが他馬より1馬身も出ていた。「スタートが速い馬ですけど、タイミングが合いすぎてしまって」。武豊も目を丸くした好発が、勝負の分かれ目だった。 「逃げるつもりはなかったんですけどね」。名手はすぐさまレースプランを変更。無理に抑えずハナを奪うと、2ハロン目から10秒台の速いラップを刻みながら、一人旅に持ち込む。ラスト3ハロンも33秒2にまとめ、後続の追い上げを振り切った。

 「前半のアドバンテージが利きましたね」。勝ちタイムの1分7秒1は、従来のものを0秒9も更新するレースレコードだった。 直線が平坦で前が止まらず、高速決着になる京都で3年ぶりの開催。

モズメイメイには最高の舞台設定でもあった。「フライングでしたね」とジョーク交じりに切り出した音無調教師。「ゲートが開くのをずっと待っているみたい」とスタートが上手な秘けつを明かし、これからは古馬相手となる今後の飛躍に期待を寄せた。

  その後は短距離路線を歩んだが、なかなか結果が出ず。試行錯誤を繰り返した末、2024年のアイビスSDでは差す競馬で約1年3か月ぶりとなる勝利の美酒に酔った。

 その後は定年解散した音無厩舎からJRA初の女性調教師となった前川厩舎に転厩。昨年末の阪神C(14着)を最後に引退し、今年から繁殖生活に入っている。

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