◆春季近畿大会 ▽決勝 報徳学園11―10智弁和歌山(31日・わかさスタジアム京都)
土壇場の5得点で猛追され、リードはわずか1点の9回2死満塁。一打逆転サヨナラ負けの場面をしのいだ報徳学園ナインは、マウンド上で喜びをぶつけ合った。
苦しんだ主将・山田瑛太左翼手(3年)が歓喜の勝利をもたらした。2点リードの9回1死満塁で内角直球を強振し、打球は左翼席で弾んだ。公式戦1号がグランドスラム。「みんながつないでくれた。スタンドもベンチも喜んでいて『やってやったぞ!』と思った」。3回の右前適時打を含め、5打点の大暴れだ。
新チームの主将に就任したが「自分が引っ張ろうとすぎて…」と空回りした。大角健二監督(46)の判断で3月から1か月、主将の肩書を外された。「周りを見るいい機会になった」と冷静になり、再登板後はチームの一体感を生み出した。「苦しいことも経験しているので、彼の本塁打はチームにとって大きかった」と指揮官。エース・沢田悠佑(3年)も「瑛太ならやってくれると信じていた」と自分のことのように喜んだ。
今大会は「野手が投手を育てよう」という狙いで、全試合で先攻を選択。指揮官は「1番から9番まで色んなところでチャンスメークできた」と、うなずいた。4番・藤本碧空三塁手(3年)も「みんなで、やぞ!」と叫び続けて“つなぎ”を意識づけた結果が、この日の13安打11得点だ。
山田主将は「ホッとしたのは一瞬。夏に切り替えていかないと」と、すぐに気持ちを引き締め直した。春の近畿王者は16年以降(中止の20年を除く)、夏の甲子園に出場している。さらなる進化を果たし、目指すのは夏切符ではなく全国制覇だ。(高柳 義人)
〇…智弁和歌山は6点を追う9回に怒とうの反撃も及ばず、3年連続の準優勝。9回は打者11人の猛攻で5点を返し、1点差まで迫った。3回に3ラン、9回に適時打を放って3戦9打点の荒井優聖一塁手(3年)は「最後の最後に自分たちの弱さが出た」と唇をかんだ。相手を上回る15安打に、中谷仁監督(47)は「(打撃戦は)想定していた展開。最後まで食らいついていけた攻撃陣は良かった」と夏に向けての手応えを口にした。










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