「サード長嶋」の出発点ともいえる日が、故郷・佐倉市で再現された。昨年の6月3日に89歳で亡くなった長嶋茂雄さんの一周忌と母校・佐倉高野球部の創設130周年に合わせ、6日に追悼記念試合が行われた。

対戦相手は1953年8月1日の南関東大会で高校3年の長嶋さんが公式戦初本塁打を打った相手である埼玉県立熊谷高が選ばれ、両校はこの試合以来、73年ぶりに対戦した。試合前に行われた式典では「明るく楽しいことが好きだった長嶋さんにちなんで」と、33秒間の黙とうがささげられた。

 「サード長嶋」が大宮公園球場でバックスクリーンへ放った本塁打は、高校時代の唯一の公式戦本塁打。この一発を契機に「長嶋茂雄」の名は知れわたり、「無名の高校生が世に出るきっかけ」と本人も語る伝説の本塁打となった。試合には長嶋さんに本塁打を打たれた当時の熊谷高の2年生エースだった福島郁夫さんも足を運び、記念試合を見届けた。福島さんは当時を「ミスターのことだけは鮮明に覚えていますね」と、懐かしげに振り返った。

 佐倉高野球部の監督であり、OB・OG会の理事でもある、奥村武広監督によると、今回の追悼試合はOB会による発案。対戦相手を探していく中で、長嶋さんのメモリアル弾を記録した試合の相手である熊谷高が候補になった。奥村監督は熊谷高とはつながりがなかったが、電話で熊谷高の部長に依頼して実現させた。奥村監督は追悼試合に際し、「改めて(長嶋さんの)存在の大きさといいますか、長嶋さんのおかげでやれている部分が多々あるんだなと。佐倉高校の野球部の大きさを改めて感じました」とコメント。部員らには「長嶋さんの言っている、元気よく、最後まで諦めずに一生懸命戦う野球、そういうのをやっていこう」と期待をかけた。

 佐倉高野球部主将を務める筒井怜介さんは「長嶋さんが汗を流して甲子園を夢見た母校グラウンドで、我々後輩も練習を積み重ねています。全国のベースボールキッズを、天国から暖かく見守っていただけたらと思います」と、偉大な先輩へ思いを口にした。

編集部おすすめ