日本の企業業績は良好です。中東危機による原油高をこなして、2027年3月期の東証プライム市場の純利益は最高益を更新する見込みです。

米国も景気・企業業績が好調に推移する見込みで、株高への追い風となります。
 ただし、日米とも長期金利の上昇ピッチが速いことに注意が必要です。金利上昇が株安につながるリスクに要警戒です。


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景気・企業業績は好調だが金利上昇に警戒感

 先週(営業日5月11-15日)の日経平均株価は、1週間で1,304円下落して、6万1,409円となりました。


 5月14日には一時6万3,799円をつけ史上最高値を更新しました。1-3月決算が良好で、今期(2027年3月期)企業業績への期待が高まったこと、中東危機による深刻なエネルギー危機はなんとか回避される見通しであることが好感されました。


 ただし、長期金利(新発10年もの国債利回り)が一時2.7%近くまで上昇したため金利上昇への警戒が高まり、5月15日には利益確定売りが増えて、6万1,409円まで反落しました。


<日経平均週足:2025年1月6日―2026年5月15日>
日経平均はさらなる高値狙える?企業業績好調だが金利上昇に要注意(窪田真之)
出所:楽天証券MSIIより作成

<日米長期・超長期金利の週次推移:2019年末~2026年5月15日>
日経平均はさらなる高値狙える?企業業績好調だが金利上昇に要注意(窪田真之)
出所:QUICKより楽天証券経済研究所作成

 日経平均は、高市早苗氏が自民党総裁選に勝利した昨年10月以降、3段上げとなっています。


◆高市ラリー第一弾


 2025年10月4日高市早苗氏の総裁選勝利を好感した外国人の買いで日経平均が急騰しました。ただし、その時点ではまだ自民党は少数与党であったため、政策実現への不安があり11月以降はいったん調整しました。


◆高市ラリー第二弾


 2026年に入り、想定以上に早い衆院解散総選挙で自民党が大勝利したことを好感して、外国人の買いで急騰しました。ところが、2月末から中東危機が起こると原油急騰で世界景気が悪化する不安が高まり日経平均は一時急落しました。


◆高市ラリー第三弾


 4月に入り、深刻なエネルギー危機は回避されるとの期待が高まり、日経平均はまた急騰しました。

1-3月企業業績が半導体・金融などを中心に好調であることも好感されました。改めて、高市政権の成長戦略を評価した買いが増えました。


業績好調で東証予想PERは低下

 景気・企業業績の見通しは日米とも好調です。ちょうど発表が終わりつつある1-3月決算が、半導体関連や金融を中心に良好であったことも、株高に寄与しました。新年度(2027年3月期)の業績(会社予想)も良好で、予想PERが少し低下したことから、株価過熱への警戒が少し低下しました。


<東証プライムの予想PERの月次推移:2022年4月~2026年5月(15日)>
日経平均はさらなる高値狙える?企業業績好調だが金利上昇に要注意(窪田真之)
出所:QUICKより楽天証券経済研究所作成

 2月27日に東証プライムの予想PERが20倍を超えた時、やや割高と見なされ警戒されました。ただし、その後5月15日までに日経平均は約4%上昇しましたが、予想PERは逆に20.1倍から18.3倍へ、約9%低下しました。1-3月決算が良好で、1株当たり利益が増加してPERが低下したことにより、株価の割高感は低下しました。


中東危機は終っていない

 中東危機はまだ終わっていません。米国とイランの停戦【注】が続き、深刻なエネルギー危機は回避されても、ホルムズ海峡の不安は恒久化する可能性もあり、エネルギー価格の高止まりは続く見込みです。


【注】停戦


 近年、戦争の出口として、包括的な「和平条約」の締結は極めて困難となっている。代わって定着しているのが、政治的妥協を棚上げした「軍事的休戦(凍結)」である。この形態は、当事国間に恒久的な緊張を残す一方、大規模な破壊活動を抑制する。イラン戦争も、そうした終結(一時凍結)を目指して交渉が進んでいるものと思われる。

 


「和平条約なき休戦」の最も代表的な例は、朝鮮戦争である。1953年に締結されたのは「休戦協定」であり、法的には現在も戦争状態が継続している。 ウクライナ戦争も和平条約の締結はきわめて困難である。議論になるのは、領土問題を棚上げした休戦ラインの決め方となっている。 


<WTI原油先物(期近)推移:2021年末―2026年5月15日>
日経平均はさらなる高値狙える?企業業績好調だが金利上昇に要注意(窪田真之)
出所:QUICKより作成

 それでも、今期(2027年3月期)の企業業績は、原油高をこなして、増益が続く見込みです。


日本株の投資方針

 日本株は割安で長期的な上昇余地は大きいと考えています。大きな波としての上昇基調は継続していると考えています。


 ただし、中東危機はまだ終わっていないこと、足元長期金利の上昇が続いていることには、警戒が必要です。日本株はこれからも急落・急騰を繰り返しながら上昇していくと思われます。少しずつ時間分散しながら、割安な日本株に投資していくことが、長期的な資産形成に寄与すると思います。


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(窪田 真之)

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