先週の日経平均は金利上昇への懸念から一時下落するも、企業業績の好調さが評価され急反発しました。2027年3月期も堅調な増益が見込まれる中、利益成長によって予想PERは低下、株価の割高感も和らいでいます。

中東情勢や金利動向には注意が必要ですが、日本株の長期的な上昇基調は継続しており、時間分散を活用した投資が資産形成に有効です。


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金利上昇に警戒感も、企業業績好調を好感して株価上昇

 先週(営業日5月18~22日)の日経平均株価は、1週間で1,929円上昇して、6万3,339円となりました。


 先週前半は、長期金利の上昇ピッチが速いことを嫌気して日経平均は下落し、20日には一時6万0,567円を付けました。そこから急反発して、再び最高値に迫りました。


<日経平均週足:2025年1月6日~2026年5月22日>
日経平均高値、業績相場へ回帰期待、AI・半導体ブームすそ野拡大で日本に恩恵(窪田真之)
出所:楽天証券MS IIより作成

 見直し買いにつながった要因として、企業業績の拡大があります。中東危機や金利上昇など不安材料はあっても、とにかく足元の企業業績が好調であることが改めて見直されています。


 AI・半導体関連株の業績拡大は、当初、米国企業に集中していました。それが、徐々に周辺産業に広がるにつれて、日本企業が受けるメリットも大きくなってきました。半導体でいうと、当初、エヌビディア(NVDA)のGPUだけがひっ迫していましたが、今やCPUや日本企業が得意とするDRAMもひっ迫してきています。また、日本企業が優位性を持つ半導体材料や関連部品にも、需要増加の波が寄せてきています。


<東証プライム上場3月期決算企業、主要841社(除くソフトバンクグループ)の連結純利益(前期比)>
日経平均高値、業績相場へ回帰期待、AI・半導体ブームすそ野拡大で日本に恩恵(窪田真之)
出所:楽天証券経済研究所予想

 通常、東証プライム上場企業の業績を分析する時、ソフトバンクグループ(9984)を含めて行っていますが、今回は同社を除外しました。


 ソフトバンクグループは、オープンAIへの投資収益で2026年3月期に5兆円もの純利益を計上するものの、2027年3月期は3.5兆円減益して1.5兆円の純利益となる見込みです(市場予想)。ソフトバンクグループを含めると、東証プライム841社全体の利益トレンドが分かりにくくなるので、今回は同社を除外しました。


 2026年3月期は、トランプ関税の影響もあり、当初は減益になるとみられていましたが、2026年1-3月期にかけて持ち直して、4.5%の増益となりました。続く2027年3月期について、保守的な企業業績予想でも、約10%の増益が見込まれています。楽天証券では約15%の増益になると予想しています。


 足元の利益見通しが高まったことにより、東証プライムの予想株価収益率(PER)は低下しました。新年度(2027年3月期)の業績見通し(会社予想)が良好で、予想PERが低下したことから、株価過熱への警戒が低下しました。


<東証プライムの予想PERの月次推移:2022年4月~2026年5月(15日)>
日経平均高値、業績相場へ回帰期待、AI・半導体ブームすそ野拡大で日本に恩恵(窪田真之)
出所:QUICKより楽天証券経済研究所作成

 2月27日に東証プライムの予想PERが20倍を超えた時、やや割高と見なされ警戒されました。ただし、その後5月22日までに日経平均は7.6%上昇しましたが、予想PERは逆に20.1倍から17.5倍へ低下しました。2026年1-3月期決算が良好で、1株当たり利益が増加してPERが低下したことにより、株価の割高感は低下しました。


日本株の投資方針

 日本株は割安で長期的な上昇余地は大きいと考えています。大きな波としての上昇基調は継続していると考えています。


 ただし、中東危機はまだ終わっていないこと、足元長期金利の上昇が続いていることには、警戒が必要です。日本株はこれからも急落・急騰を繰り返しながら上昇していくと思われます。少しずつ時間分散しながら、割安な日本株に投資していくことが、長期的な資産形成に寄与すると思います。


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(窪田 真之)

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