観音様でも関係なく設置義務あり

  国土交通省大阪航空局は2026年4月9日、石川県加賀市作見町の観音像「加賀大観音」に設置された航空障害灯が、長期間にわたり点灯しない状態が続いているとして、所有者に対し、航空法に基づく行政処分(航空障害灯の設備改善命令)を行ったと発表しました。

【画像】た、確かに危ないな…これが、遠くから見た加賀大観音像です

 加賀大観音は、正式名称を「慈母観世音菩薩大立像」という全長73mの観音像で、大阪航空局によると株式会社洛悠M1が現在所有しているとのことです。

 同観音像では、洛悠(らくゆう)M1が所有して以降の2022年2月17日から長期間にわたり、低光度航空障害灯が機能を喪失した状態が継続していたとして、大阪航空局は同社に対し、2023年5月から当該灯火の機能復旧を求める指導を継続的に行っていたとしています。

 同局は対面による助言および指導も続けていましたが、復旧に向けた具体的な計画が示されなかったことから、今回、航空法に基づく行政処分を行ったとのことです。

 加賀大観音は、1987年4月7日に開園した「ユートピア加賀の郷」という仏教をテーマとする複合施設の一部として建立されたものです。同施設は1999年に閉館し、その後は観音像が所在する一部施設のみが残っていましたが、敷地内への相次ぐ不法侵入も問題となっていました。

 その後、前述の洛悠M1が旧「ユートピア加賀の郷」一帯の土地約13万9000平方メートルと観音像を含む建造物の所有権を取得しました。同社は取得当初、大観音像の解体および保存の両面から適切な開発計画を検討していると報じられていましたが、その後大きな進展はなく、今回の行政処分に至った形です。

 なお、低光度航空障害灯は航空法に基づき、高さ60m以上150m未満の構造物に設置が義務付けられている、夜間用の赤色灯火です(150m以上の建物には中光度や大光度の航空障害灯設置義務あり)。夜間に航空機へ障害物の存在を知らせる設備であり、宗教的なシンボルであっても設置対象となります。

 有名なところですと、日本一高い仏像である茨城県牛久市にある牛久大仏は全長120mのため、頭頂部に航空障害灯が設置されています。ちなみに、加賀大観音の全長は国内4位の高さに該当します。

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