JR東日本は2026年3月、「羽田空港アクセス線(仮称)」整備事業の進捗状況を公表し、羽田空港と埼京線の新宿方面を直結する「西山手ルート」について、「中長期的な時間軸で進める事業」と位置付けていることを明示しました。
【画像】これが羽田空港アクセス線「西山手ルート」の計画ルートです
JR東日本は2023年6月から羽田空港アクセス線の工事に本格着手しており、宇都宮線・高崎線・常磐線から羽田空港へ直結する「東山手ルート」と、新木場方面から羽田空港へ直結する「臨海部ルート」の2031年度の同時開業を目指し、関係者と協議・調整を行っている段階です。
現在、「西山手ルート」の一部となる埼京線の沿線(山手線西側や埼玉県西部)から羽田空港への鉄道直結アクセスは皆無で、乗り換えが必要です。
西山手ルートが開業すれば、これらの地域から羽田空港まで乗り換えなしで鉄道による移動が可能になります。赤羽駅や大宮駅は、先に開業する「東山手ルート」と合わせて、2つのルートで羽田空港と結ばれます。
JR東日本は「西山手ルート」の開業の目処が立たない理由について、「りんかい線大井町駅付近から東京貨物ターミナル間でトンネルの新設などが必要となるため、事業化に向けて解決すべき課題が多く残されている」(グループ経営戦略本部 コーポレート・コミュニケーション部門)と話します。
「西山手ルート」は埼京線とりんかい線の線路(大崎~大井町付近)を活用しますが、大井町付近~東京貨物ターミナル付近は現在、線路がつながっておらず、「東品川短絡線」と呼ばれる短絡線を新設する必要があります。既にあるりんかい線の地下トンネルに接続させる大がかりな工事も必要になるため、これが最大のネックになっているのです。
なお、東京貨物ターミナル~羽田空港は「東山手ルート」や「臨海部ルート」と共用する区間となります。「臨海部ルート」は、東京貨物ターミナル付近のりんかい線の回送線と車両基地を活用できるため、「西山手ルート」のような短絡線を新設する大工事は必要ありません。
「西山手ルート」をめぐっては、埼玉県が早期着工に向けた支援を要望しているほか、2025年度から東京都が事業スキームなどの具体化に必要な検討を開始。国やJR東日本との協議を進めていく方針を示しており、今後の動きが注目されます。
※一部修正しました(4月23日9時18分)

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