3歳牝馬ランキング(後編)
前編◆オークスを目前にしてのスポルティーバ・オリジナル「3歳牝馬番付」>>
いよいよ間近に迫ってきた牝馬クラシック第2弾のGⅠオークス(5月24日/東京・芝2400m)。はたして、同レースを前にしての3歳牝馬の『Sportiva オリジナル番付(※)』で上位3頭に入ったのは?
※『Sportivaオリジナル番付』とは、デイリー馬三郎の吉田順一記者、日刊スポーツの木南友輔記者、JRAのホームページでも重賞データ分析を寄稿する競馬評論家の伊吹雅也氏、フリーライターの土屋真光氏、Sportiva編集部競馬班の5者それぞれが、今回はオークスに挑む3歳牝馬の、現時点における実力・能力を分析しランクづけ。
3位は、ジュウリョクピエロ(牝3歳/父オルフェーヴル)。リステッド競走の忘れな草賞(4月12日/阪神・芝2000m)でインパクトのあるレースを見せて一気にランクインした。また、コンビを組むのは今村聖奈騎手。女性騎手のクラシック初騎乗で、日本人女性ジョッキーによる初のGⅠ制覇なるか、大いに注目が集まっている。
土屋真光氏(フリーライター)
「忘れな草賞では強烈な勝ちっぷりを披露。とりわけ、エンジンがかかってからの動きが圧巻でした。やや動きを制御しきれていない点は気になるものの、レース史上2番目の好タイムをマーク。鞍上が大舞台でも落ちついて乗ることができれば、父オルフェーヴルがGⅠ日本ダービーで見せたような強さを再現できるかもしれません」
吉田順一氏(デイリー馬三郎)
「パドックではホライゾネットを着用し、イレ込み防止のリップチェーンを装着しても、ハミを噛んでチャカチャカするシーンが目立っています。ですが、レースにいくとスムーズに折り合って、2走前の1勝クラス(1月4日/京都・芝2000m)では馬群を割って快勝。忘れな草賞では後方待機から最後の直線で大外を回って、豪快な末脚を繰り出してあっという間に突き抜けました。
芝では2戦2勝。
2位は、GⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ(12月14日/阪神・芝1600m)の覇者で、クラシック初戦のGⅠ桜花賞(4月12日/阪神・芝1600m)も制覇したスターアニス(牝3歳/父ドレフォン)。その実績から断然の1位になるかと思われたが、オークスに向けては血統面から距離への不安があってか、意外にも2位にとどまった。
伊吹雅也氏(競馬評論家)
「5月10日終了時点の本賞金(JRAのレースのみ。以下同)は2億2335万円で、JRAに所属する現3歳世代の牝馬としては単独1位。牡馬を含めた本賞金ランキングでも、ロブチェン(2億8750万円)に次ぐ単独2位となっています。あらためて説明するまでもない、この世代の牝馬としては頭ひとつ抜けた実績の持ち主です。
2022年以降のオークスは、サンデーサイレンス系やロベルト系を含むヘイルトゥリーズン系種牡馬の産駒がやや不振。一方、父がヘイルトゥリーズン系種牡馬でない馬は、計25頭のうち8頭が馬券に絡んでいて、3着内率が32.0%に達しています。
父のドレフォンも、母のエピセアロームも、現役時代は短距離戦を主戦場としていましたが、それぞれの産駒は長めの距離を問題なくこなしている印象。
木南友輔氏(日刊スポーツ)
「短距離のイメージが強いですが、血統好きな人には見逃せないのが、4代母がサクラローレルの母であるローラローラという牝系。母エピセアロームにしてもスプリンターっぽくない血統でしたし、距離はもってもおかしくありません」
実績断然のスターアニスを抑えて1位となったのは、ラフターラインズ(牝3歳/父アルアイン)。オークストライアルのGⅡフローラS(4月26日/東京・芝2000m)を快勝し、距離延長にも不安がない点から急浮上した。
吉田氏
「2走前のGⅢきさらぎ賞(2月10日/京都・芝1800m)のパドックではハミを噛む量が多く、時折頭が上がるシーンが多々ありました。その結果、レースでは大きくアオって後方からの競馬に。少頭数プラス、内からロスのない立ち回りを見せて3着まで追い込みましたが、まだまだ課題が残る現状でした。
そこから、フローラSではノーズバンドを着用。多少ハミは噛んでいたものの、頭が上ずるシーンが少なかった点は強調材料です。レースでは再びアオったものの、上ではなく前に飛んで中団の位置を確保できたことも収穫でした。馬込みやキックバックもまったく問題なく、スローペースの上がり勝負を余力十分に抜け出した内容はオークスにつながるものです。
つなぎが長くストライドも伸びるタイプで、東京の芝2400mは守備範囲。ノーズバンドの馬具効果も大きく、一気に高みを目指せそうです」
木南氏
「もともと何頭かいたオークスが楽しみな面々のなかでも、この馬は抜けた存在と見ていました。
その後、フローラSできっちりとオークス出走権利をゲット。最大の課題をクリアしたとなれば、ここは不動の1位評価です」
伊吹氏
「5月10日終了時点の本賞金(JRAのレースのみ。以下同)は7340万円で、JRAに所属する現3歳世代の牝馬としては、スターアニス(2億2335万円)、タイセイボーグ(1億120万円)、ギャラボーグ(9060万円)に次ぐ単独4位。オークス出走馬のなかだと2番目。実績上位の一頭として、春の頂上決戦に臨みます。
母のバンゴールは現役時代にJRAで5勝をマーク。"薔薇一族"と呼ばれる名牝系に属していますし、血統的なポテンシャルはかなり高いと言っていいでしょう。
近年のオークスは重賞ウイナーが圧倒的に優勢。JRAの重賞において1着となった経験がない馬は、2022年以降に限ると連対例ゼロ、3着2回で、3着内率が4.7%止まりです。今年のオークス出走馬のうち、重賞を勝ったことがあるのは同馬のほか、スターアニス、ドリームコア(牝3歳/父キズナ)、スマートプリエール(牝3歳/父エピファネイア)の4頭のみ。東京適性の高さも証明済みですから、大きな不安要素が見当たりません」



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