この記事をまとめると
■発表されたばかりのステップワゴンは初代を思わせるスタイリング



■最近は旧型のデザインを取り入れる新型車が多い



■その理由について解説する



ステップワゴンのシルエットは初代そのもの

6代目となるステップワゴンが発表されました。初代はホンダのクリエイティブ・ムーバー第三弾として登場したのがステップワゴンで、スペース効率を最優先したスクエアなボディの“乗用車”というのは非常に新鮮な存在でした。それが大ヒットにつながり、現在に至っています。



そんな6代目ステップワゴンを見て「初代モデルを思わせる」という声が上がっているようです。たしかにスクエアなシルエットやいまどきのミニバントレンドに逆行するようなシンプルなフロントマスクの意匠は、初代ステップワゴンの持っていた独特の道具感を思わせるものです。



新型ステップワゴンだけじゃない! いま「先祖のデザイン」に回...の画像はこちら >>



むしろ、初代のコンセプトを2020年代に蘇らせたとさえ感じます。こうした先祖帰りをしているのはステップワゴンだけではありません。ほかにも初代を思わせるスタイリングのモデルは登場間近です。



それが日産フェアレディZです。東京オートサロン2022で日本初公開される新型Zは、丸をモチーフとしたヘッドライトやスクエアなフロントグリルが初代モデルをオマージュしたものとなっています。さらにCピラーに飾られたZのエンブレムも初代モデルから受け継いでいます。



新型ステップワゴンだけじゃない! いま「先祖のデザイン」に回帰するクルマが増えていた



とはいえ、新型Zは単に初代のスタイリングをよみがえらせただけではありません。テールレンズの意匠は4代目フェアレディZ(Z32)にも通じるものです。全身でヘリテージをアピールしていると理解すべきでしょう。



歴史というのは新興メーカーや新しいモデルには絶対に真似ができません。

ですからヘリテージをブランディングに使うことは、代を重ねてきたモデルの特権ともいえます。



その意味では6代目ステップワゴンについても、初代のリバイバルというだけでなく、歴代モデルのディテールがそこかしこに感じられるエクステリアになっています。ヒストリーが生み出す安心感、信頼感を、そうしたエクステリアは醸し出しています。



ジムニーのルックスは1980年代のリバイバル!?

違った方向からヘリテージを活用したといえるのがスズキ・ジムニーでしょう。現行ジムニーのルックスは、初代というよりは1980年代に販売されていたSJ30/40型をメインモチーフに、各年代の特徴を感じさせるエクステリアになっていると感じさせるものです。



ジムニーの場合はライバル不在といえますから歴史をアピールする必要はないかもしれませんが、ヘリテージを活かしたルックスは、武骨なクロカン4WDという本来のキャラクターに、オシャレやかわいいというテイストを加えることに成功しているといえます。



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ジムニーの人気は高く、いまだに納期は一年待ちといわれますが、それだけの支持を集めている理由のひとつは、先祖帰りを感じさせるスタイリングにあることは間違いありません。



あらためて新型ステップワゴンの話に戻れば、ホンダ自身はリバイバルとは言っていません。あくまで「素敵な暮らし」を提供できる存在になること、家族の引き立て役となるミニバンを目指したといいます。



思えば、初代ステップワゴンの掲げたクリエイティブ・ムーバーというカテゴリーは、日本語で「生活創造車」と表現されていました。



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そのコンセプトは、最新のステップワゴンが目指す素敵な暮らしに通じるものがあります。初代のシルエットを真似たというより、どこか相通じるところのあるコンセプトから生み出されたミニバンが似てしまうのは自然の通りなのかもしれません。

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