2026年7月15日、仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)の中国語版サイトは、2026年サッカー・ワールドカップ(W杯)でフランス代表への人種差別発言が相次いでいるとして、国際サッカー連盟(FIFA)の対策とその限界について報じた。

記事は、フランスがW杯の決勝トーナメント2回戦でパラグアイに1対0で勝利した後、パラグアイの上院議員が主将エムバペに対して人種差別的な発言を行って各方面から非難され、その直後にはスペインのラホイ元首相もフランス代表を称賛しつつ「チームにはフランス人選手が一人もいない」と発言して批判を浴びたと伝えた。

そして、これに対してフランスサッカー連盟のディアロ会長が「フランスの選手に元スペイン首相の国籍証明は必要ない。フランス代表はフランスのチームだ」と反発したほか、スペインのサンチェス首相も帰属は出自や肌の色ではなく国への忠誠で測るものだと述べ、国連人権高等弁務官事務所の報道官も、W杯での差別事件はスポーツ界全体に及ぶ現象の反映だと指摘したことを報じている。

記事は、FIFAが「サッカーは世界を一つに」をスローガンに掲げ、史上最大規模となる今大会で一連の防止策を講じていると紹介。各スタジアムに反差別担当官を配置して差別行為の監視と介入に当たらせるほか、行動規範で差別的メッセージの掲示を禁止し、「3段階の反差別手続き」を運用しているとした。

また、選手やチームをネット上の誹謗(ひぼう)中傷から守る「ソーシャルメディア保護サービス」が、グループステージ期間中に600万件の投稿から8万9000件の悪質な投稿を検出し、その1割超が人種差別的動機によるものだったと説明。今大会のチーム公式アカウントで自動的に非表示とされたヘイトコメントは約18万1000件で、前回2022年大会の6700件の13倍と出場枠の拡大を大きく上回る増え幅になったことを伝えた。

記事は、こうしたデータは対策の必要性と同時に、大会を取り巻く差別の規模の大きさを浮き彫りにしていると指摘。エムバペへの攻撃後にフランス社会が一致して選手を支えたことについても、パリ政治学院の社会学者の「勝っている限り誇りは続くが、負ければ支持は一変する。この団結はもろく、長期的な視点で包摂的な物語を構築する必要がある」との見解を取り上げた。(編集・翻訳/川尻)

編集部おすすめ