中国メディアの参考消息によると、スペインメディアのエル・ムンドはこのほど、中国について、映画「アバター」の舞台となった山々から重慶の迷宮のような街並みに至るまで、2030年までに外国人観光客数を1億9000万人にすることを目指し、野心的な攻勢をかけているとする記事を掲載した。

記事は、湖南省中央部に位置する張家界国家森林公園がハリウッド映画によって世界的な観光スポットの一つとなったことや、長江沿いの険しい丘陵地帯に位置する重慶がその起伏に富んだ地形から「立体迷宮」とも呼ばれていることを紹介した。

そして、中国政府が先ごろ、2030年までに外国人観光客数を1億9000万人、旅行消費額を1500億ドル(約24兆4500億円)超にするという目標を発表したことに触れ、「25年にはすでに外国人観光客数が前年比17.1%増の1億5450万人に達し、旅行消費額は同約40%増の1311億ドルに達している。これらの数字の裏にははるかに深い変化が隠されている」と指摘した。

記事によると、中国政府が模索する新たな成長源の一つとして観光業が浮上している。中国を拠点とするデジタルマーケティング会社、ドラゴン・トレイル・インターナショナルのコミュニケーション・分析ディレクター、シエナ・パルリス=クック氏は「ビザ(査証)免除の拡大が、インバウンド観光の成長をけん引する要因の一つであり、SNSも中国に対する認識を変える上で重要な役割を果たしている。何百万人ものユーザーが、従来の制度的なプロパガンダよりもはるかに日常的でテクノロジーに親しみやすく、身近な中国のイメージを発見している」と語る。

記事は、すでに1兆8000億ドル(約293兆4000億円)の価値があるとされる中国の観光産業が36年までに3兆5000億ドル(約570兆5000億円)に達し、米国を抜いて世界最大の観光経済国になると世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)が予測していることに触れた上で、「しかし中国が目指しているのは、経済的なものにとどまらず、世界が抱く中国のイメージを変えることだ」と指摘した。

記事によると、長年にわたり、中国に関する国際的な議論の多くは、抑圧やデジタル監視、攻撃的な外交、コロナ禍におけるロックダウンといった問題に支配されてきた。中国人移民に対するステレオタイプも事態を悪化させた。しかしSNSが状況を変えた。海外のコンテンツクリエーターを国内ツアーに招き、上海や深センといった超近代的な都市やアバターの舞台のような壮大な景観、清潔で安全、技術も発達し、驚くほどアクセスしやすい様子を30秒の動画で発信してもらうという戦略が良い結果をもたらしている。米シンクタンクのピュー・リサーチ・センターがこのほど発表した、36カ国・地域の4万5000人以上を対象とした調査によると、中国の世界的なイメージはパンデミック中に記録された最低水準から回復し、調査を続けている20カ国では中国の好感度が数年ぶりに米国を上回った。(翻訳・編集/柳川)

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