2026年9月1日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、ドイツと中国の経済関係が従来の補完関係から直接的な競争関係へと変貌し、ドイツ経済や政策決定に大きな圧力を与えているとするベルリン特約記者の分析記事を掲載した。
記事は、過去数十年にわたり中国市場がドイツの自動車、機械、化学、電機などの主要産業に莫大な利益をもたらしてきたものの、近年は中国がドイツにとって最大の競争相手へと台頭していると紹介した。
そして、2025年の独中二国間貿易額は約2518億ユーロ(約46兆7600億円)に達し、ドイツの対中輸入が8.8%増の約1706億ユーロ(約31兆6800億円)となったのに対し、対中輸出は9.7%減の約813億ユーロ(約15兆980億円)に落ち込み、対中貿易赤字が約893億ユーロ(約16兆5830億円)へと拡大したことを伝えた。
その上で、特に自動車分野において、中国企業が電気自動車(EV)や車載電池、スマート技術で急速に優位を確立して欧州市場へ進出しているため、ドイツ国内の自動車各社が合計1万人規模の人員削減計画を発表するなど深刻な打撃を受けていると指摘した。
また、ドイツ経済の苦境が中国との競争だけでなく、高止まりするエネルギー価格、深刻な人手不足と少子高齢化、インフラ投資の遅れ、複雑な官僚主義、デジタル化や人工知能(AI)の遅延といった自国の構造的課題が重なった結果であると分析したほか、中国の製造業の躍進がドイツ自身の弱点を浮き彫りにする「鏡」になっていると論じた。
記事は、ドイツ産業界がメルツ首相に対し、中国の「不公正な競争」に対抗して強硬姿勢を強めるよう圧力をかける一方、連邦政府内では強硬派と慎重派の間で方針が定まらず足並みの乱れが続いているという状況をドイツメディアの報道を引用して紹介。欧州委員会が10月に業界別関税や輸入割当などの対抗措置を検討している中、ドイツ政府による外交的解決への道筋が狭まっていると伝えた。(編集・翻訳/川尻)











