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「孤狼の血」は劇場で観ておけ。熱気と臭気が漂う東映三角マークのバイオレンス映画

2018年5月17日 09時45分 ライター情報:大山くまお
豚の肛門からブリブリッとひりだされる大量の糞! その糞をぐりぐりと口にねじこまれる気弱そうな経理係の駿河太郎! 駿河太郎の指を楽しそうにちょんぎる武闘派ヤクザの竹野内豊! 

これが役所広司、松坂桃李主演、白石和彌監督の映画『孤狼の血』のオープニングだ。これだけでこの作品が放つ空気がよくわかる。お上品じゃない。寸止めじゃない。コンプライアンスがない。熱気と臭気がスクリーンのこちら側にも伝わってくる。ヤクザ同士の対立と警察との衝突を描く『孤狼の血』は三角マークの東映が贈るエクストリームなバイオレンス映画なのだ。(公式ガイドブック)
映画「孤狼の血」 公式ビジュアルガイドブック (カドカワムック)

捜査のためなら火を放つ男・大上


『孤狼の血』の舞台は暴力団対策法成立直前の昭和63年、広島県呉原市。取り締まりの法律もザル、バブルの真っ只中でカネもあるからヤクザがギラギラしまくっていた時代だ。呉原市は架空の街だが、実際には呉市でほとんどの撮影が行われた。呉市は東映実録ヤクザ映画の傑作『仁義なき戦い』の舞台だった街である(『この世界の片隅に』の舞台でもある)。

主人公の大上章吾(役所広司)は広島県警の暴力犯捜査係主任。ヤクザの組織にどっぷり入り込み、警察からもヤクザからも一目置かれている。捜査のためなら旅館に火を放ち、警察署の中で女(MEGUMI)にフェラさせてしまうような男(これは捜査とは関係ない)。決めゼリフは「警察じゃけぇ、何をしてもいいんじゃあ」。演じる役所広司は現在62歳だが、まったく年齢を感じさせない暴れっぷりを見せている。

大上の部下になるのが、一流大学卒のエリート刑事、日岡秀一(松岡桃李)。何でもありの大上の捜査に戸惑い、反発するが、やがて……という役柄。全編にわたって誰かからボコボコにされたり、誰かをボコボコにしたりしている彼もまた「狼の血」の持ち主なのだ。

大上の理解者なのが、クラブ「梨子」のママ・里佳子(真木よう子)。ヤクザがたむろする店であり、彼女自身も若いヤクザを恋人に持っているがゆえ、徐々に抗争に巻き込まれていく。真木よう子は恋愛ドラマよりこういう映画のほうがよく似合うと思う。

竹野内豊、音尾琢真が最低のヤクザ役!


呉原市で熾烈な抗争を繰り広げているのが暴力団の尾谷組と加古村組だ。義理と人情を重んじる小さな組・尾谷組を支えるのは若頭・一ノ瀬守孝(江口洋介)。彼に仕える永川(中村倫也)はクレイジーな鉄砲玉として抗争に身を投じる。それにしても中村倫也の昨今の大活躍ぶりはすさまじい。

ライター情報

大山くまお

ライター。著書に『野原ひろしの名言』『野原ひろしの超名言』(双葉社)、『名言力』(ソフトバンク新書)、『中日ドラゴンズあるある』(TOブックス)など。

URL:Fire Stone and Water

「「孤狼の血」は劇場で観ておけ。熱気と臭気が漂う東映三角マークのバイオレンス映画」のコメント一覧 1

  • 匿名さん 通報

    見たくなった! 最近はガキ向けの腑抜けた日本映画が多すぎる。

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