序盤のポイントを生かした井上が冷静に判定で中谷を退けた©Lemino/SECOND CAREER/NAOKI FUKUDA

 5月2日、東京ドームで行われたボクシング世界スーパーバンタム級4団体タイトルマッチは、統一王者の井上尚弥(大橋)が挑戦者の中谷潤人(M・T)を判定で下し、王座防衛に成功した。両者とも、32戦無敗という驚異的なキャリアを築いてきたボクシング人生での大一番は、“モンスター”が盤石の強さを示した。

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 試合前まで井上の勝利を予想する声が多かった中、その下馬評通りの結果となったものの、中谷の奮闘も光った。試合開始直後には、距離を測りながらカウンターを狙う場面が続くも、中盤以降は前に出て井上の顔面に左右のパンチを的確にヒットさせている。一方の王者も懐の深い相手に対し恐れることなく間合いを詰め、上下に打ち分けダメージを与えていった。

 そして終盤には互いが相手を倒しに行く攻撃を繰り広げ、激しい乱打戦を展開。12ラウンドの末、試合序盤より効果的な打撃でポイントを稼ぎ、試合を優位に進めた井上に軍配。判定3-0で勝利を掴んでいる。

 ついに決着がついた日本人同士による“世紀の一戦”は、海外でも高い注目度を誇った。イギリスの全国紙『The Guardian』も公式サイト上において、この試合結果を報じている。

 同メディアは、試合の勝者である井上に対し、「33歳の王者は、長身でリーチに優れ若さもあるナカタニという近年で最も危険視された挑戦者を相手に上回り、階級を問わず世界屈指の実力者であることを改めて証明した」と綴り、若きライバル相手のタイトル防衛を称賛。

 またトピックでは、敗者への言及もみられ、「敗れはしたものの、ナカタニの評価は揺るがない。3階級制覇王者としての底力に加え、適応力と粘り強さで世界最高峰の1人を限界まで追い詰めた」と評価。さらに、「多くの相手なら後半の猛攻で勝利していた可能性もあるが、相手はイノウエだった」として、やはりその戦いぶりを称えている。

 加えて同メディアは、ベルトを守った王者の今後への見解を示しており、「これでイノウエはスーパーバンタム級王座の防衛を7度目に伸ばし、キャリアに新たな1ページを刻んだ。すでに殿堂入り級と評される実績を持つ中で、115ポンド統一王者ジェシー・“バム”・ロドリゲスとの対戦にも期待が高まっている」などと綴っている。

 スーパーバンタム級の頂点を争った、日本人同士の激戦の余韻はいまだ冷めないままだ。そして、ボクシング史に残る死闘を演じた井上、中谷の両ボクサーはふたたび、それぞれが新たな目標を掲げ、この先の道のりを歩んでいく。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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