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「あしたのジョー」「ガンバの冒険」の天才アニメーション監督『出崎統の世界』

「あしたのジョー」「ガンバの冒険」の天才アニメーション監督『出崎統の世界』
『アニメーション監督 出崎統の世界 ーー「人間」を描き続けた映像の魔術師 』大山くまお/河出書房新社<br />「あしたのジョー」など、止め絵、逆光、三回パン……非常に特徴的で印象に残る映像を作り続け、2011年4月に亡くなったアニメーション監督出崎統。彼の描きたかったものはなんなのか、表現をするというのはなんなのかを生前の発言や一緒に働いていた人のインタビュー、現在監督として一線で働いている人の言葉からまとめた一冊。現実を超えた現実を描いた作家の生き様がこの中にある。
6月ともなると、放映されているアニメ番組も中盤にさしかかり最も脂の乗った、面白い時期になります。
ほんと作品ごと、十人十色で、面白いですよね。
そんな中たまにネット上で聞くのがこんな言葉。
「この演出、出崎風だよね。
はて、この「出崎風」とはなんぞや?
出崎風演出とは、2011年4月17日に亡くなったアニメ監督、出崎統が行なっていた独特な演出技法のこと。
主な作品として「あしたのジョー」「エースをねらえ!」「ガンバの冒険」「ベルサイユのばら」などがあります。
まず印象的なのは止め絵。ラストシーンなどが多いのですが、これ別に手抜きでもなんでもなくてキャラクターの主観で見た世界を、最も印象的に見せる手法。スローモーションを究極まで煮詰めたら、止め絵になるんです。
また、「3回パン」と表現される、同じシーンの繰り返し。振り向きやキャラのアップを3回繰り返す。3回も出てきたらびっくりしますよ。それだけ見ているキャラが、起きていることに対して激しい印象を抱いているんです。
そして逆光。まるでキャラクターが逆流する風に向かっていくかのように、反対側から被せられる光の表現は一度見たら忘れません。ギラギラした光と、真っ黒な影。想像以上の色の使い方は、希望にも恐怖にも見えます。
他にも数多くありますが、非常に大胆に使ってくるんです。リアルに映像を作ろうとすると普通は使えない技術ですよ。特に3回パンは印象に残りやすいので、出てくると「出崎風」と言いたくなってしまいますし、おそらくそのアニメを作っている人は出崎統の技法に影響を受けているか、パロディとして扱っているかのどちらかの可能性が高いです。

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