書店でこの本見かけたら、首をかしげますよ。
あれ、これ水木しげる? 新作?
いや違う、作者の名前……ドリヤス工場。いやでもこれどう見ても水木しげる絵でしょ? なにこれ??
 
ドリヤス工場(作家名です)の『あやかし古書庫と少女の魅宝』は、一切、水木しげると関係ありません。
どんなに似ていようとも、一切! なんにも! 関係ありません!
つったってねー。「いや水木しげるの真似でしょう?」と言われたら、それは間違いなくその通りなんです。
水木しげる絵鑑定士レベルの高い人なら、いかに水木しげる絵と違うかは見て分かると思いますが、ぼく程度ではちょっとわかりません。
この作者、一体何者なのかをちょっと説明してみます。

まず内容の前に、ドリヤス工場とは何者なのかを簡単に説明します。
作者のドリヤス工場は、アンソロジーなどで色々なアニメやマンガを、水木しげるタッチで描くパロディマンガ作家でした。
実際には「水木しげる」という名前は一切出てこないんですが、まあぶっちゃけ誰が見たって水木しげるなわけですよ。
ここからが作者の面白いところなんですが、水木しげるの絵柄で色々なアニメをパロるんですが、それがギャグじゃないんです。
彼の作風は、翻訳なんです。
点描、おちょぼ口、線の強弱、吹き出しの配置、ベタ塗りのバランス、独特の「ひーっ」などの書き文字、妖怪たちがのんきに暮らすような不思議な間のとり方。
これらを徹底的に研究し、言語として捉えました。