米倉涼子主演のドラマ『リーガルV～元弁護士・小鳥遊翔子～』。弁護士資格を剥奪された自由奔放な主人公が、ワケありの仲間たちとともに法廷劇を繰り広げる。
先週放送された第6話の視聴率は14.4％。少々下落したが、まだまだ高視聴率をキープしている。平均視聴率20％を軽く越える『ドクターX』シリーズに比べると物足りないけど。
お人好しそうな男・塩見（カラテカの矢部太郎）が京極法律事務所にやってきた。婚約者に薦められて3000万円の土地を購入したのだが、これが500万円ぐらいの価値しかない超ヒドい土地だったのだ。契約解除は不可能な上、名義人が婚約者なので塩見が仲介業者を訴えるのも難しい。おまけに婚約者の携帯も勤務先の電話番号も使われていなかった。
これは結婚詐欺だと確信した翔子（米倉涼子）たち。さらに塩見の婚約者・夏純（逢沢りな）の写真を見ると、元ストーカーのパラリーガル・馬場（荒川良々）に大金を貢がせた上に振った女と同一人物だった。彼女を塩見に紹介したのが、入会金30万円の高級結婚相談所・ローズブライダルである。
パラリーガルの理恵（安達祐実）がローズブライダルに潜入調査を行うも、夢中になった男（武井壮）をまんまと夏純に取られてしまう。馬場の調査で、夏純が六本木のキャバクラ嬢だということが判明。翔子たちは夏純を呼び出すが、彼女の言い分は用意周到で逆にやりこめられてしまった。
ローズブライダルの代表は相田栞（東ちづる）という女性。入会金30万円のほか、会員に脅迫・洗脳まがいの言葉を浴びせて一律30万円の高額セミナーを受けさせていた。さらに現役ホストのパラリーガル・茅野（三浦翔平）の活躍で夏純がサクラだということもわかり、翔子たちは結婚詐欺の疑いでローズブライダルに対して訴訟を起こす。
しかし、ローズブライダルの弁護を担当するのは、大手企業を専門にするFelix & Temma法律事務所の海崎（向井理）だった――。
老母に孫を見せたい一心で結婚を焦る男役に『大家さんと僕』の矢部太郎を持ってきたのはナイスキャスティング。純真でか弱い男そのまんま。ローズブライダル周辺の画作りも大変ゴージャスで、さすがヒット作は違うなぁ、と感心してしまった。
一方で、相変わらずのおっさん目線というか、このドラマ全体が女性に対していかんともしがたい不信感を抱いていることがよくわかるストーリーだった。六本木のキャバクラ嬢（水商売の女性）は悪事を働くものだと決めつけているし（第1話で痴漢冤罪を仕掛けたのもキャバクラ嬢だった）、イケメンホストにはあっさりなびいて何でも白状する愚かな人間だということも繰り返し描いている。
さらにキャバ嬢を操り、母思いのかよわい男から搾取するのは、おかしなヘアスタイルの女社長……。東ちづる演じるこの女社長も金儲けには狡猾だけど、法廷で証拠映像を突きつけられるとオロオロしてしまう愚かな人間として描かれていた。
先の読めない展開が好きなドラマなので、実は矢部太郎が悪人だった！ みたいな展開も期待したんだけど、そんなことはない。
おっさん目線といえば、今回も天馬壮一郎（小日向文世）が秘書の淳美（宮本茉由）に赤ワインを浴びせるシーンがあった。その前のカットでなぜか宮本茉由の胸を強調していたのだが、わざわざニットをあけて胸の中にワインを注ぐ……。って、このシーン、いる？ 小日向文世も宮本茉由もこんなシーンやらなくていいのに！ モヤモヤするなぁ。
翔子たちが提出した証拠は採用されず、裁判はまさかのローズブライダル勝訴。
次回はさらにローズブライダルとの訴訟合戦が描かれることになるが、翔子たちの取る戦術が「男たちの“me too”運動を盛り上げる」って、また微妙な……。男性がセクハラ告発のme too運動を行うのはいいんだけど、女性へのセクハラまがいの描写が多いドラマなんだから、まずは女性のme too運動をストーリーとして取り上げるのが筋なんじゃないの？ そもそも結婚詐欺とme too運動のかかわりもよくわからないんだけど……。第7話は今夜9時から。
（大山くまお）
『リーガルV～元弁護士・小鳥遊翔子～』
木曜21:00～21:54 テレビ朝日系
キャスト：米倉涼子、向井理、林遣都、菜々緒、荒川良々、内藤理沙、宮本茉由、安達祐実、三浦翔平、勝村政信、小日向文世、高橋英樹
脚本：橋本裕志
演出：田村直己（テレビ朝日）、松田秀知
音楽：菅野祐悟
プロデューサー：大江達樹（テレビ朝日）、峰島あゆみ（テレビ朝日）、霜田一寿（ザ・ワークス）、池田禎子（ザ・ワークス）、大垣一穂（ザ・ワークス）
制作著作：テレビ朝日
先週放送された第6話の視聴率は14.4％。少々下落したが、まだまだ高視聴率をキープしている。平均視聴率20％を軽く越える『ドクターX』シリーズに比べると物足りないけど。
イラスト／Morimori no moRi
カラテカ・矢部太郎が婚活詐欺被害に！
お人好しそうな男・塩見（カラテカの矢部太郎）が京極法律事務所にやってきた。婚約者に薦められて3000万円の土地を購入したのだが、これが500万円ぐらいの価値しかない超ヒドい土地だったのだ。契約解除は不可能な上、名義人が婚約者なので塩見が仲介業者を訴えるのも難しい。おまけに婚約者の携帯も勤務先の電話番号も使われていなかった。
これは結婚詐欺だと確信した翔子（米倉涼子）たち。さらに塩見の婚約者・夏純（逢沢りな）の写真を見ると、元ストーカーのパラリーガル・馬場（荒川良々）に大金を貢がせた上に振った女と同一人物だった。彼女を塩見に紹介したのが、入会金30万円の高級結婚相談所・ローズブライダルである。
パラリーガルの理恵（安達祐実）がローズブライダルに潜入調査を行うも、夢中になった男（武井壮）をまんまと夏純に取られてしまう。馬場の調査で、夏純が六本木のキャバクラ嬢だということが判明。翔子たちは夏純を呼び出すが、彼女の言い分は用意周到で逆にやりこめられてしまった。
ローズブライダルの代表は相田栞（東ちづる）という女性。入会金30万円のほか、会員に脅迫・洗脳まがいの言葉を浴びせて一律30万円の高額セミナーを受けさせていた。さらに現役ホストのパラリーガル・茅野（三浦翔平）の活躍で夏純がサクラだということもわかり、翔子たちは結婚詐欺の疑いでローズブライダルに対して訴訟を起こす。
しかし、ローズブライダルの弁護を担当するのは、大手企業を専門にするFelix & Temma法律事務所の海崎（向井理）だった――。
女性への不信感が拭いきれないストーリー展開
老母に孫を見せたい一心で結婚を焦る男役に『大家さんと僕』の矢部太郎を持ってきたのはナイスキャスティング。純真でか弱い男そのまんま。ローズブライダル周辺の画作りも大変ゴージャスで、さすがヒット作は違うなぁ、と感心してしまった。
チョイ役にわざわざ武井壮を連れてくるところもヒット作の余裕を感じる。
一方で、相変わらずのおっさん目線というか、このドラマ全体が女性に対していかんともしがたい不信感を抱いていることがよくわかるストーリーだった。六本木のキャバクラ嬢（水商売の女性）は悪事を働くものだと決めつけているし（第1話で痴漢冤罪を仕掛けたのもキャバクラ嬢だった）、イケメンホストにはあっさりなびいて何でも白状する愚かな人間だということも繰り返し描いている。
さらにキャバ嬢を操り、母思いのかよわい男から搾取するのは、おかしなヘアスタイルの女社長……。東ちづる演じるこの女社長も金儲けには狡猾だけど、法廷で証拠映像を突きつけられるとオロオロしてしまう愚かな人間として描かれていた。
先の読めない展開が好きなドラマなので、実は矢部太郎が悪人だった！ みたいな展開も期待したんだけど、そんなことはない。
なんだか女性に対する被害者意識で凝り固まったストーリーだなぁ。なお、夏純はもうストーリーには登場しないみたい。
おっさん目線といえば、今回も天馬壮一郎（小日向文世）が秘書の淳美（宮本茉由）に赤ワインを浴びせるシーンがあった。その前のカットでなぜか宮本茉由の胸を強調していたのだが、わざわざニットをあけて胸の中にワインを注ぐ……。って、このシーン、いる？ 小日向文世も宮本茉由もこんなシーンやらなくていいのに！ モヤモヤするなぁ。
男たちのme too運動を盛り上げる!?
翔子たちが提出した証拠は採用されず、裁判はまさかのローズブライダル勝訴。
裁判官らに何らかの圧力がかかったらしい。天馬のもとには大物らしき男・我妻（国広富之）がいて、翔子潰しを画策しているようだが、それがローズブライダルを守るためなのか、殺人罪で服役している守屋至（寛一郎）に関わることなのかは不明。
次回はさらにローズブライダルとの訴訟合戦が描かれることになるが、翔子たちの取る戦術が「男たちの“me too”運動を盛り上げる」って、また微妙な……。男性がセクハラ告発のme too運動を行うのはいいんだけど、女性へのセクハラまがいの描写が多いドラマなんだから、まずは女性のme too運動をストーリーとして取り上げるのが筋なんじゃないの？ そもそも結婚詐欺とme too運動のかかわりもよくわからないんだけど……。第7話は今夜9時から。
（大山くまお）
『リーガルV～元弁護士・小鳥遊翔子～』
木曜21:00～21:54 テレビ朝日系
キャスト：米倉涼子、向井理、林遣都、菜々緒、荒川良々、内藤理沙、宮本茉由、安達祐実、三浦翔平、勝村政信、小日向文世、高橋英樹
脚本：橋本裕志
演出：田村直己（テレビ朝日）、松田秀知
音楽：菅野祐悟
プロデューサー：大江達樹（テレビ朝日）、峰島あゆみ（テレビ朝日）、霜田一寿（ザ・ワークス）、池田禎子（ザ・ワークス）、大垣一穂（ザ・ワークス）
制作著作：テレビ朝日
