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広瀬すず×櫻井翔『ネメシス』5話　天狗伝説、ともさかりえ、とくれば思い出す『金田一少年の事件簿』

2021年05月11日(火)18:15

広瀬すず×櫻井翔『ネメシス』5話　天狗伝説、ともさかりえ、とくれば思い出す『金田一少年の事件簿』

イラスト／AYAMI

※本文にはネタバレがあります

『ネメシス』第5話父の願いに花束を

櫻井翔演じるポンコツ探偵・風真尚希と、広瀬すず演じる天才過ぎる助手・美神アンナがバディを組み、超難解事件を解決していくドラマ『ネメシス』（日本テレビ系 / 日曜よる10時30分〜）。「死ぬのやだー！」風真がトラップにはまった第5話。

【前話レビュー】厳しく抑圧された女学院で起きた事件をアンナ（広瀬すず）＆風真（櫻井翔）の凸凹コンビが解決

ネメシス探偵事務所で、白い大きな犬・マーロウを撫でながら、テレビに釘付けになっていた風真。

画面にはジャーナリストの神田凪沙（真木よう子／二役）が裁判所前から中継で、事件について伝えている。こういう女性がタイプ？とアンナに茶化されると消してしまった。

さて、今回の依頼者は、アンナが贔屓にしている謎の料理店「Dr.ハオツー」でコックをしているリュウ楊一（加藤諒）からの相談。手には週刊誌の「FRIDAY」。記事には「天狗サーモン社長　崖から身投げ！？」と大きな見出し。養殖業の社長・天久潮（渡辺哲）が謎の転落死を遂げた、怪事件として扱われた記事だった。

今回の相談は、命を落とす前日に潮と会っていたリュウが「簡単に死ぬはずはないよ」と不信に思ってのことだった。栗田一秋（江口洋介）は「風真」と呼んでCEOルームへ。「鑑定歴30年、栗田の集大成的勘が囁いた」と、風真の経験が生きるのでは？と小説風にOKを出した。

今回はネメシスのメンバーに加えて依頼人のリュウも一緒に天狗サーモンの養殖場を訪れた。と、その前に、前妻を亡くしてから夕陽を見て飲むのが習慣だったという高台に立ち寄った一行。さぞかし世話になったのだろう。

献花と酒を手向け、気持ちを込めて手をあわせるリュウ。

栗田からの指示で、タカ＆ユージ……警察の千曲鷹弘（勝地涼）、四万十勇次（中村蒼）に電話をかけた風真。まずは情報収集にあたった。本件に詳しい小山川薫（富田望生）によれば、潮の遺体からは大量のアルコールが検出された、それも経営に行き詰まり最近では酒量が増えていたという家族の証言つき。結果としてスニーカーの靴ひもがほどけていたことで脚が絡んで崖から転落したと、事故死扱いになっていると言う。

この地域には昔から言い伝えられている天狗伝説があるとリュウ。養殖場へ行くと、潮の前妻の弟・洋（渋川清彦）が出迎えた。焼き魚を振る舞ったかと思えば、一匹千円を請求。オウムと写真を撮ったら高額請求をされる、リゾート地のトラップのよう。

焼き魚代を支払うと、「アニキは殺されたんだよね」と気になるワードをこぼす洋。一行が反応すると、「こっから先は前金が必要だから」。そして風真の財布を奪って「俺は、犯人知ってんだよ」と匂わせ発言を連発。

なんともオープンで滑らかなカツアゲだった……。

そこへ訪れたのが潮の後妻・郁子（ともさかりえ）。天狗伝説、ともさかりえ、とくれば一気に『金田一少年の事件簿』の雰囲気だ。「後妻……つまり、いま独身」ちょっと早口でつぶやいた栗田。ズキューン！って、なってる場合じゃない。

栗田から名刺を受け取った郁子。ちょっと疑うような目をしていたが、壁に飾られたいくつもの天狗を指して、「天狗！」と天真爛漫なアンナの一言で、緊張がほぐれた様子。アンナは人の気持ちを察することに長けている。

郁子は「『豊かなサーモンは豊かな自然が育む』それも山神様、天狗様のお陰だって言って、主人はお金もないのにコツコツ集めてたんです」と柔和な表情で潮について語った。

そして問題の潮の息子たち。ニーズに合わせて養殖を拡大したい一魚（野間口徹）、ファンド経営を狙う二魚（鶴佐助）、親のすねをかじろうと彼女連れで戻ってきた三魚（堀家一希）。一方の洋は、潮に多額の保険金をかけていたことを知り、郁子を疑う。

洋は「探偵にいてもらって真相を突き止めてもらった方がいいと思うけどな」。郁子も潔白を証明したいと言わんばかりに賛同。ネメシスの出番だ。

「ゲノム」が事件の謎を解くキーワード？

その後、洋がこぼした「ゲノム」というワードをフックに、次々と真実が明らかになっていった。養殖場の古い建物にある特殊な顕微鏡。それはゲノム編集による品種改良の研究に使われているものだった。

潮のガンが発覚すると次々と実家に戻ってきた彼ら。事業拡大、借金整理…それらしい理由を付けて金策に走った。『豊かなサーモンは豊かな自然が育む』『自然は全部つながっている』との潮の信条も虚しく、なかなかサーモンのようにはいかなかった。親の心、子知らず、孝行のしたい時分に親はなし……。

第6話は5月16日（日）放送。画像は番組サイトより

余談だが、温泉に一人向かう道中、落ちてきたしいたけにつられて天狗の罠にはまった風真。驚きと嬉しそうな表情で拾っていた。一人だけ童話の世界に迷い込んだようで、なんだか可愛らしかった。

その直後に危険な目に遭ったのだけど……。

さて、忘れてはならない今回のネメシスの狙いは、事件の真相追求に加えて、カンケン（菅研究所）に関する手がかりを探ること。菅容子（今村美乃）について聞いてみると、一魚の大学院を卒業した年に一度接触。カンケンへ誘われたと話す。

ネメシスとしてはここから本題だが、放送はここまで。早いもので第6話だ。これといった大きな手がかりは得られずにいるが、菅容子の存在、そして神田水帆、2002年4月15日のこと……どんな風につながり、線になっていくのか。

※第5話のレビューを更新しましたら、エキレビ！のツイッターにてお知らせします