長年にわたり、科学者らは手術をせず果肉から種を切り離すように腫瘍を正常な組織から分離し、放射線治療の際に腫瘍だけを正確に破壊し、正常な器官への損傷を減らすことを望んできました。中国の科学者はこのほど、人工知能(AI)技術を利用して、臨床でこの目標を実現しました。

中国科学院の院士(アカデミー会員)で中山大学腫瘍予防治療センターの馬駿教授チームが先頭に立ち、世界トップクラスの専門家と共同で策定した「鼻腔がん放射線治療標的領域描出に関する国際ガイドラインおよびアトラス」が昨年9月、正式に発表され、同時に英医学誌「ランセット・オンコロジー」に掲載されました。

馬教授は、「鼻腔がんの根治治療手段は放射線治療であるが、範囲が小さすぎると、腫瘍への照射漏れが生じやすく再発の原因となる。一方、範囲が大きすぎると、腫瘍の周囲の重要な器官、例えば脳幹、側頭葉、中耳、視神経に損傷が発生する。鼻腔がん患者は6~7週間にわたり計30回以上の連続放射線治療を必要とし、治療中の腫瘍縮小や患者の体重低下は標的領域の変位を招く」と説明しました。この問題に直面した馬教授と同センターの孫穎教授のチームは10年余りを経て、「デジタル剥離」という新しい技術の開発に成功しました。この技術はビッグデータで腫瘍の進化パターンを解析し、AIを用いて標的領域の描画システムを再構築し、放射線治療の効率を大幅に向上させ、誤差を低減させるものです。

「デジタル剥離」技術の描画精度は専門医の50%を超え、医師間の描画格差を50%減少し、効率を5倍以上向上させ、1症例当たりの治療時間を30分に短縮することができるとのことです。(提供/CGTN Japanese)

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