独ドイチェ・ベレ(DW)の中国語版サイトは24日、中国資本の工場が長時間労働文化を欧州に広めているとNGO(非政府組織)が警告したとする記事を掲載した。

記事によると、米ニューヨークを拠点とする労働権利団体チャイナ・レイバー・ウオッチは、中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)のハンガリーにある工場で深刻な労働権侵害が行われていると指摘する調査報告書を発表した。

同団体の代表であるリー・チアン氏は、DWのインタビューで、こうした行為は中国企業の海外工場ではごく一般的だと述べた。

報告書によると、建設現場で働く中国人労働者は週7日勤務しており、1日9時間の労働に加えて、通勤にさらに3時間を費やしていることが多い。さらに、賃金体系の透明性の欠如や残業義務に関する理解のあいまいさ、そして長期にわたる賃金の未払いなどが労働者の退職を阻んでいる。

報告書ではまた、多くの中国人労働者が多額の手数料を仲介業者に支払った後、借金を抱えた状態でBYDのハンガリー工場の建設現場に到着したことも明らかになった。その借金負担は雇用主や労働仲介業者への依存をさらに悪化させ、搾取されやすくさせている。さらに、中国人労働者の多くは就労ビザではなく商務ビザで欧州に来たため、権利が侵害された際に法的保護を受けることが難しく、違反を報告したり辞職したりした場合の報復を心配する者も多いという。

リー氏によると、ハンガリーのBYD工場建設現場における権利侵害問題は、辞職を阻止された中国人労働者によって暴露された。この労働者の当初の契約では、6カ月勤務後に中国へ帰国できると定められていたが、厳しい納期などの理由で、工場側はこの労働者の帰国を無期限延期した。そこでこの労働者は、無理やり辞職して帰国すれば、支払われないままの賃金の一部を受け取れず、航空運賃を含む渡航費用も自己負担しなければならないことから、チャイナ・レイバー・ウオッチに助けを求めたという。ハンガリーの労働法では年間総残業時間が400時間を超えてはならないと規定されている。しかし、BYDの工場建設における実際の状況では、労働者はわずか数カ月の勤務で年間残業時間の上限を超過することが常態化していた。チャイナ・レイバー・ウオッチのまとめによると、ほぼすべての中国企業の海外工場設立において同様の状況が起きている。

BYDのブラジル工場でも1年以上前に労働権侵害が発覚している。リー氏による、海外の中国工場におけるこうした違反は、派遣労働者が中国の法律にも現地の法律にも拘束されず、特に「中国人労働者が正式な就労ビザを所持しておらず、自らの権利を積極的に擁護する勇気がない場合」に起こりやすいという。

リー氏によると、チャイナ・レイバー・ウオッチはこうした状況についてすでに欧州委員会に報告済みだ。報告書によると、ハンガリー当局に対し労働法の監督強化を求めるとともに、欧州連合(EU)に対しサプライチェーン全体に対する監視体制の導入を要求したという。(翻訳・編集/柳川)

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