2026年4月21日、中国メディアの南風窓は「中国製EVには結局抗えず」と題し、中東情勢を背景とした欧州の燃料価格高騰により、中国製電気自動車(EV)が欧州市場で急速にシェアを拡大させていると報じた。

記事は、2月28日から4月18日にかけて欧州のガソリン価格が平均15%上昇し、英国とポーランドでは32.4%に達し、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダでも軒並み20%を超えたと紹介した。

そして、この急激な高騰が欧州の自動車購入者の意思決定時間を劇的に短縮させ、ドイツでは1~3月におけるBYDの問い合わせ数が前年同期比2.4倍となり、フランスではわずか3週間で自動車販売に占めるEVの割合が6.5%から12.7%へとほぼ倍増したと伝えた。

さらに、ベルリンの建設作業員が往復160キロかけてポーランドまで給油に行き、月150ユーロ(約2万8000円)を節約しているエピソードや、フランス・ブルターニュ地方のシングルマザーが燃料費だけで収入の20%が消えると嘆く声を紹介した。

記事は、各国政府が燃油税減税や補助金など燃油高騰対策を打ち出したものの、一時的な対症療法に過ぎず、消費者が根本治療としてEV移行に向かっていると指摘。欧州における中国製EVのシェアは今年1~3月に10%超まで上昇し、BYDが約7%、上海汽車(SAIC)傘下の名爵(MG)が2~3%、吉利(Geely)グループが1~2%、奇瑞(Chery)が0.5~1%と続いたと報じた。

その上で、中国製EV最大の特徴が「圧倒的なコストパフォーマンス」だとし、同等の航続距離と装備を持つ欧州車に比べ15~25%安価に設定されていることに言及した。

また、中国メーカーの開発サイクルは平均20カ月で欧州勢の48~65カ月を大きく下回り、自社の運搬船保有により2~4週間という極めて短い納期を実現している点も優位性として説明した。

記事は、ブランド認知度の低さや整備拠点の少なさが欧州消費者の購入をためらわせる要因になっていることに加え、BYDなどが拠点を置くハンガリーでの政権交代など政治的リスクも残るとしつつも、2035年に欧州の新車販売の9割がEVに置き換わる巨大な転換期の中で、中国メーカーは確かに発展の好機を迎えていると伝えた。(編集・翻訳/川尻)

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