中国ネット通販の上半期最大セール「618」は早ければ5月末から始まります。今年は各プラットフォームのサービスでAIの導入が加速しており、主にマーケティング、物流、新商品投入などの分野で効率化を図っています。
老舗の巨大ECサイト淘宝(タオバオ)は親会社阿里巴巴集団(アリババグループ)傘下のLLM「千問」と連携し、買い物アシスタントとして消費者にAI試着、AI割引計算、AI安値購入支援などの機能を提供します。京東(JD)は最新の物流大規模モデルを実戦投入し、数千万個の注文荷物の輸送ルートを動的に計画し、空車走行や中継コストを削減します。
抖音(ドウイン)や快手(Kuaishou)といったショート動画系ECプラットフォームでもAIの活用が進んでいます。抖音はAIGC技術ツールを公開し、出店者のコンテンツ制作を効率化する一方、快手は出品段階でデータに基づくAIを活用し、ヒット商品の選定を支援します。
物流企業自身も無人車の導入を拡大しています。4月のデータによりますと、老舗宅配企業の中通快递(ZTO Express)はすでに全国268都市で3560台以上の無人配送車を投入し、1日平均870万個以上の荷物を運んでいます。杭州市にある中通の営業所マネージャーは、自動仕分けシステムは1時間に約1万件の宅配便を処理でき、精度は99.9%以上に達しており、手作業による仕分けの負担を軽減していると説明しました。
AIショッピングが大規模セールの競争に参入するに伴い、競争は多様化していますが、AIによるECバリューチェーンの再構築と実用化の課題は、依然として大手企業にとって深い試練となります。艾媒諮詢(iiMedia Research)グループの張毅CEOは、AIの導入がECの検索と取引のロジックを再構築し、パーソナライズされたマーケティングや出店者のスマート運営などに新たな変化をもたらす可能性があると述べています。
一方で同氏によれば、これは必ずしも買い物体験の向上を意味するわけではありません。推奨される商品情報の正確性、価格比較の信頼性、過剰な推奨や過度なマーケティングなどの問題がユーザーの反発を招く可能性があるほか、プライバシー、データセキュリティ、出店者間のトラフィック配分ルールの不均衡が生じる恐れもあります。
間もなく迎えるこの618において、中国の大手企業はAI EC競争で先陣を切ると同時に、全く新しい試練に直面しています。











