2026年5月27日、中国のポータルサイト・捜狐に、かつて日本漫画を淘汰(とうた)すると言われた縦スクロール漫画・WEBTOON(ウェブトゥーン)が日本で失速しているとの記事が掲載された。

記事は、「ここ数年、頻繁に漫画を読んでいる人なら、多くの作品が以前のようなページをめくる形式ではなく、スマートフォンで縦に延々とスクロールする形式に変わっていたことに気づくだろう。キャラクターはフルカラーで、コマは縦方向に並び、ページをめくる必要もない。ただ指を下へ滑らせるだけで読める。こうした漫画は現在『縦スクロール漫画』あるいは『WEBTOON』と呼ばれている」と紹介した。

そして、「『WEBTOON』は韓国のネット上で急速に発展し、その後スマートフォンの普及とともに世界中に広がった。もともとスマホ向けに設計されており、フルカラーや派手な演出を多用するため、ライトユーザーには第一印象のインパクトも強い。簡単に言えば、従来の日本漫画が『読む』ものであるのに対し、縦スクロール漫画は『流し見する』コンテンツに近い。そのため当時、多くの投資家や業界関係者は、いずれ縦スクロール漫画が日本漫画を淘汰すると考えていた」と説明した。

また、「特に2018年前後は、そうした声が異常なほど大きかった。『若者はもはや従来型漫画を読まない』『今後はスマホの縦読み時代だ』といった論調があふれ、日本漫画の読書形式そのものが時代遅れだと断言する者までいた。その流れの中で、日本の出版社やIT企業、各種配信プラットフォームはこぞって縦スクロール漫画事業に参入した。しかし現在、日本漫画業界では非常に気まずい現実が起き始めている。縦スクロール漫画部門を閉鎖する企業が増え、多くの会社が撤退を始めているのだ」と述べた。

記事は、「『とある科学の超電磁砲』や『ニンジャスレイヤー』などを手掛けたベテラン編集者・荻野謙太郎氏も自身のX(旧ツイッター)で『もう何個目になるか忘れたけど、今日またWEBTOON部門を解散するよというお知らせが入ってきた。構造と収益モデルを聞いただけで日本でうまくいくわけねえだろというシロモノだったので特に驚きはありませんが。WEBTOONの時代が来ると吹いてた人たちはセンスの無い山師だったことが露呈したので、名前憶えときましょうね』とまで言い切った」とした。

そして、「この発言は日本のアニメ・漫画界隈で大きな議論を呼んだ。かつて『次世代漫画革命』と持ち上げられていたものが、今や失速し始めているのではないか、どうやら行き詰まり始めていると、多くの人が気づき始めたからである。というのも、多くのプラットフォームは最初から、縦スクロール漫画が本当に成功するための核心を理解していなかった可能性がある。以前は、縦スクロール漫画最大の強みはその形式にあると考えられていた。スマートフォンに適し、短時間で読むことができ、現代の若者向きだとされたのである。しかし、もし読み方の形式がそこまで重要なら、なぜ日本の従来型漫画は今なお衰えず、むしろますます勢いを増しているのだろうか」と問い掛けた。

その上で、「『ONE PIECE』は依然として怪物級の作品であり、『呪術廻戦』も売れ続け、『SPY×FAMILY』や『葬送のフリーレン』もネット全体を席巻している。しかも、本当に大ヒットしている作品の多くはいまだに白黒のページ形式漫画である。ここでようやく、漫画の命運を決めるのは、縦読みか横読みかではなく、結局は内容そのものなのだと人々は気づき始めた。当時、多くの人には大きな誤解があった。形式の進化を、そのまま内容の進化だと思い込んでいたのである。読み方さえ現代的になれば、ユーザーは自然と全面的に移行すると考えていたのだ」と論じた。

さらに、「ユーザーは形式に惹かれて作品を開くことはあっても、内容が良くなければ読み続けはしない。だから多くの縦スクロール漫画は、最初こそ気持ちよく読めるが、読み終わってしばらくすると主人公の名前すら思い出せなくなる。多くのプラットフォームが、工業的な量産体制に陥ってしまったからである。縦スクロール漫画は、実は非常にコストがかかる。フルカラー作品はなおさらだ。従来の日本漫画は白黒であり、多くの場合、線やスクリーントーン、コマ割りだけで感情表現を成立させてきた」と言及した。

記事は、「縦スクロール漫画は、スマホ向けの視覚的刺激を維持するため、多くの作品がフルカラーと更新頻度の高さを求められる。その結果、短期間で収益化を急ぐあまり、今のショートドラマのように内容がどんどんテンプレート化していった。プラットフォームのアルゴリズムがユーザー維持率を求めるため、最終的には似たような作品ばかり量産されるようになったのである。もちろん短期的にはユーザーを引きつけられる。しかし問題は、長期的な作品価値を築きにくいことである」と指摘した。

また、「日本漫画の恐るべき強みは、まさに作品を何十年単位で長期間育てる力にたけているところである。『ドラゴンボール』は生き続け、『NARUTO』も愛され続け、『名探偵コナン』もいまだ現役である。そこから派生する価値は計り知れない。これこそ日本漫画産業の本当に恐ろしい底力なのである。もっとも、荻野氏も新しいものを否定しているわけではない。彼は縦スクロール漫画に挑戦するクリエイター自体を嫌っているわけではなく『縦スクロール漫画の時代だ』とあおっていたプラットフォームや資本側が、儲からないと分かった瞬間に逃げ出したことだ」と強調した。

記事は、「ここ数年、こうした出来事は何度も繰り返されてきた。数年おきに『旧時代は終わった』『従来産業は滅ぶ』と叫ぶ者たちが現れる。しかし最後には本当に価値のあるものは、そう簡単には淘汰(とうた)されないと気づくのである。映画は小説を滅ぼさなかったし、ショート動画も映画を滅ぼしていない。同じように、縦スクロール漫画もまた日本漫画を滅ぼせなかった」と述べた。

また、「もちろん、これは縦スクロール漫画が完全に失敗したという意味ではない。実際、女性向け、恋愛系、爽快系ジャンルは、テンポが速く、感情的な刺激が強い縦スクロール漫画と相性が良く、依然として強い市場を持っている。今後も確実に存在し続けるだろうが、それは日本漫画を終わらせる脅威ではなく、漫画産業における新たな一分野に近い。興味深いのは、以前は多くの人が日本漫画を『古くさい』『保守的』だと言っていた一方で、日本の漫画プラットフォームがこの数年でひそかに進化していることである。特に『少年ジャンプ+』の台頭以降、日本のウェブ漫画の環境は大きく変わった。更新はより自由になり、題材はより大胆になり、拡散方法もよりインターネット的になった」と評した。

そして、「日本漫画は時代に適応できなかったのではない。自らの核心的強みを維持しながら、徐々にネット時代に適応を進めていったのである。インターネットはしばしば『旧王は死んだ』と騒ぎたがるが、現実はそう単純ではないことが多い。本当に強い作品は、形式によって生き残るのではなく、内容そのものによって生き残るからだ。最終的に作品価値を決めるのは、その物語が人の心を動かせるかどうかである。 読者は、縦読みか横読みかだけで作品を好きになるわけではないのだから」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)

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