2026年5月31日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、ブラジルが豊富な埋蔵量を背景にレアアースの供給源として台頭する一方で、中国の独占打破には長期的な課題があると報じた。

記事は、トランプ米大統領が中国製品に大幅な関税を課したことへの対抗措置として中国がレアアース材料の輸出規制を発動し、世界市場で重要なレアアースが不足する事態が起きる中、インドやベトナム、ブラジルなど埋蔵量を持つ各国が自国の産業育成に乗り出しており、中でもブラジルが代替供給源として国際資本を集めていると伝えた。

そして、ブラジルのレアアース埋蔵量が約2100万トンと推定され、4400万トンを誇る中国に次いで世界2位であること、ブラジル国家鉱業局のデータに基づき、現在合計2758のレアアース採掘プロジェクトが進行中であることを紹介した。

また、ブラジル地質調査所のデータとして、全国のレアアース鉱床の約73%が採掘の容易なイオン吸着型粘土鉱床に属していることにも言及。オーストラリアの鉱業会社メテオリック・リソーシズのアンドリュー・タンクス会長が、ブラジルの鉱山は完全に再生可能エネルギーで電力を賄っており、低コストでの開発が可能というメリットを示したことを伝えた。

さらに、米国のUSAレア・アースがブラジルの資源開発企業セーハ・ベルデから国内で稼働中のレアアース鉱山を28億ドル(約4400億円)で買収したことも紹介。同社のバーバラ・ハンプトン社長が「この鉱山はアジア以外で4種類の磁性レアアースすべてを大規模に供給できる唯一の鉱山だ」と語ったほか、同鉱山が多数の米国政府機関と15年間の独占販売契約を締結していることに触れた。

記事は一方で、中国が世界のレアアース精錬市場で90%以上のシェアを占め、磁石材料の生産では約95%に達していると紹介。ブラジルが中国の独占を打破するためには単なる原材料輸出にとどまらず、国内で加工・付加価値化を行うことが必要だと指摘した。

その上で、タンクス会長が「ブラジルはレアアース採掘業の競争力をすぐに高めることができるが、材料の生産にはまだ長い時間がかかる。目標を達成するには多大な忍耐が必要だ」との見解を示したことを紹介した。(編集・翻訳/川尻)

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