中国メディアの参考消息によると、中国のトレンドやぜいたく品市場を分析する米ウェブサイトのジンデイリーはこのほど、グローバルブランドが中国に先行進出する理由は「首発経済(デビューエコノミー)」にあるとする記事を掲載した。

デビューエコノミーとは、新製品や新技術、新サービスを世界に先駆けて発表したり、海外ブランドの1号店を誘致したりして消費を喚起する中国の経済戦略のこと。

記事はまず、2025年に中国の財務部と商務部が、中国で事業展開するグローバルブランドにとって根本的な変化をもたらすことになる「デビューエコノミー」戦略を打ち出したことに触れ、「発表によると、約50都市で2年間のパイロットプログラムを行い、新しい消費モデルや異業種間の知的財産コラボレーション、ブランドの市場への初参入を支援するため、各都市に数億元の資金を割り当てる」と伝えた。

そして「これは景気刺激策とは一線を画すもので、むしろ構造的な変化と言える。中国政府は、製品やコンセプト、体験を中国で最初に展開するブランドを支援するための政策と金融インフラを積極的に構築している」と伝えた。

記事によると、グローバル企業の経営幹部にとって、中国市場を二次的な展開先として扱うことは、政府の補助金や高級小売店へのインセンティブ、膨大な消費者の注目を放棄することを意味する。

デビューエコノミーの最も顕著な現れは、中国の都市間で1号店を誘致するための激しい競争だ。この競争をリードしているのが上海で、2026年1~2月だけで128もの1号店がオープンした。上海市商務委員会は、この勢いを維持するため、1号店や旗艦店の誘致に成功した商業施設や商業地区に対し、最大100万元(約2300万円)の支援を提供すると発表した。

1号店の定義はすでに変わり、もはや新しい場所に標準的な店舗を開設することではなく、新しい体験型業態を初披露することがより重要になっている。

記事はその例として、英国の高級スキンケアブランド、イヴロムを挙げ、単にカウンターを増設するのではなく、上海の港匯恒隆広場(グランドゲートウェイ66)に、ストレスを軽減するために特別に設計された庭園のような環境を持つ、グローバルな「感情ヒーリング・コンセプトストア」を初出店したと伝えた。

記事によると、サウジアラビア発のニッチフレグランスブランド、REVANNAも、中国初のリアル体験スペースとして上海の巨鹿路を選び、消費者が感情的な価値や感覚的な没入感にお金を払う「嗅覚経済」に傾倒した。

実店舗が注目される一方で、人工知能(AI)がデビューエコノミーのデジタルインフラを根本から変革しつつある。26年に中国で製品を発売するということは、AIエージェントに製品が発見されるようにすることを意味する。

デビューエコノミーの根底にある論理は、中国はもはや単なる巨大な消費市場ではなく、グローバルな競争力を測る究極の試金石であるということだ。

数十年にわたり、多国籍企業の戦略は「中国市場向け中国製品」であり、グローバル製品を国内市場向けにローカライズすることだった。しかし今や、最も賢明な企業は「グローバル市場向け中国製品」へと転換しつつある。最先端の製品やコンセプトをまず中国で展開することで、競争の激しい中国市場で生き残り、世界市場で通用するだけの実力を身に付けることができると考えているからだ。

この変化は、企業の人材配置にも顕著に表れている。昨年、ドイツのある多国籍企業は、欧州本社の研究開発エンジニアを上海に移転させた。その理由は単純明快だ。中国におけるイノベーションのペースに遅れることは、世界的に後れを取ることを意味するからだ。

中国で最初に事業を展開するということは、自社ブランドを可能な限り高い強度で競争させることを意味する。サプライチェーンは最速の物流ネットワークに、マーケティングは最も高度なソーシャルコマースアルゴリズムに、そして製品は最も要求の厳しい消費者に、それぞれ厳しい競争にさらされることになる。

デビューエコノミーは、迅速に行動し、いち早く製品を市場に投入しようとするブランドにとって構造的な優位性となる。自治体によるプロモーションや商業地区における賃貸料優遇、中国の消費者に革新的な企業として認識されることによる好影響などを通じて、顧客獲得コストを削減できる。

逆に、中国を二次的な市場として扱うことの代償はかつてないほど高くなっている。欧米でテストを終えてから中国で新コンセプトや新製品を展開しようとすると、一等地はすでに埋まっていて、AIエージェントは競合他社を推奨するようになり、地方自治体からの補助金は他社に与えられてしまうことになる。

記事は「2026年になっても、中国の消費者は依然として商品を購入している。しかし、彼らが購入するのは、新しいもの、体験型のもの、そして中国で最初に発売されるものだ」と結んだ。(翻訳・編集/柳川)

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