2026年5月29日、香港メディア・香港01は、ノーベル文学賞作家の莫言(モー・イエン)氏が、人工知能(AI)時代に作家が守るべき独創性の価値について語ったことを報じた。

記事によると、莫氏はAIについて、文学や映像産業に深く関与するだろうが、真の独創的な創作に取って代わることはできないとの考えを示し、作家にとって最も宝と言えるのは独創性であり、自分も他人も書いたことのない作品や典型的な人物像を創り出すことこそが作家の存在価値であると述べた。

また、AIは代々の作家が書き上げた膨大な作品群を学習して再構成しているに過ぎず、それは結局のところ独創ではない「中古品」であると指摘。もし将来すべての芸術家が独創的な制作を止めてしまえばAIの能力も現在の水準に留まるのであり、人間が独創的な作品を供給し続けてこそAIも進歩できるのだと論じている。

莫氏はさらに、AI時代になってコンテンツ制作のハードルは下がったものの内容の質に深刻な影響が出ており、業界における「人間の書き手」への需要はむしろ増えているとの見解を示した。

そして、現状AIは多くの愚かな者をさらに愚かにし、多くの賢い者をさらに賢くさせ、人間同士の間に巨大な格差を生じさせているという見方を示した上で、志のある作家であればAIという巨大なプレッシャーに屈することなく、独創性を堅持すべきだと語っている。

このほか、中国文学の海外進出については、作品の質を高めることが第一条件とした上で、「国家という強力な後ろ盾があり、中国語を学ぶ人が増えれば、文学の翻訳もそれに応じて盛んになるだろう」と述べた。(編集・翻訳/川尻)

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