2026年5月28日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、人工知能(AI)普及に伴う雇用不安に対するIT業界の楽観論とローマ教皇による倫理的警告について報じた。
記事は、SNS大手のメタが全従業員の約1割に当たる約8000人を削減し、米小売大手のアマゾンも25年と26年にそれぞれ1万人以上の削減を行っていると紹介。
また、大手企業のリストラについて、過剰採用やコスト圧力といった負の側面を覆い隠すための口実との指摘が一部のアナリストから出ているとした。
そして、エヌビディアのジェンスン・フアン(黄仁勲)CEOは一部の経営層がAIをリストラの安易で不誠実な口実にしていると批判しつつ、「AIが仕事を奪うのではなく、AIを学んでいる人があなたに取って代わる」と述べ、雇用への議論を再燃させたと紹介。フアンCEOがパソコンの登場時と同様にAIを道具として学ぶことで取り残されるのを防ぐべきだと提案したことに触れた。
記事は、ローマ教皇レオ14世が初の回勅「偉大な人類(マニフィカ・フマニタス)」において、効率が価値を測る基準となった時、人は自分自身を絶えず最適化すべき「プロジェクト」と見なし、他者と関係を築く真の人間として自分を捉えなくなると指摘したと伝えた。
また、教皇が技術の集中による「新型の奴隷制」に懸念を示し、アルゴリズムによる戦争の正当化を否定するとともに、政府に対してAI業者の監視や労働者の保護、子供の保護を行うよう呼びかけたとしている。
記事は、中国の何立峰(ホー・リーフォン)副首相が、一部の企業がAIの全面導入で既存雇用の3割以上が失われると試算していると聞いて衝撃を受けたという話を紹介し、中国政府が25年末に企業に対し、AI導入に際して人員削減を避けるよう求めたと伝えた。
さらに、浙江省杭州市中級人民法院が「AIの方がコストが低い」という理由での従業員解雇を違法と断じ、企業に26万元(約610万円)の賠償金支払いを命じた事例も紹介した。(編集・翻訳/川尻)











