電気自動車(EV)化の遅れなどで日本車がASEAN(東南アジア諸国連合)市場で競争力が低下し苦境に立たされている、と中国メディアが伝えた。中国の自動車業界関係者は中国の新エネルギー車(NEV)ブランドはASEAN市場で徐々に足場を固め、「今後数年間はASEAN市場を拡大する好機」とみている。
全国規模の経済紙・経済日報の電子版「中国経済網」の記事によると、最近、2025年度の決算および26年度の業績見通しを相次いで発表した日本の主要自動車メーカーの業績は総じて低迷。中東情勢の緊張によるサプライチェーン(供給網)と市場の不安定化、EVシフトの遅れ、さらに米国による関税引き上げなど複数の要因の影響を受け、企業によっては純利益が大幅に減少し、赤字に転落するケースも見られる。
その背景として業界関係者は「日本の自動車産業はEVシフトおよびスマート化の構造転換が比較的緩慢で、世界的な競争の激化に伴い、今後厳しい課題に直面する」と指摘。「こうした状況は海外市場にも波及しており、とりわけ中東およびASEAN市場への影響が顕著だ。これらの市場ではグリーン転換が加速しており、EVやグリーン物流への需要が拡大しているため、日本メーカーのEV分野における技術力や生産能力の不足が次第に顕在化している」とした。
地域的な包括的経済連携(RCEP)産業協力委員会の許寧寧主席は「日本の自動車メーカーはEVシフトが遅く、長年にわたりASEAN市場で築いてきた競争力が低下しつつあり、市場シェアも低下の一途をたどっている」と分析。「EVの製品展開の遅れやスマート化水準の不足は中国の自動車産業に海外市場拡大の機会をもたらしている」と述べた。
例えばタイのEV市場では中国ブランドの市場シェアが着実に伸びており、複数の自動車メーカーが現地で完成車工場を建設している。また、現地の需要に対応した右ハンドル車の開発を進め、コストと技術の優位性を背景にガソリン車からの置き換えによって生まれる市場の空白を迅速に埋めつつある。
産業チェーンの面でもチャンスが拡大。インドネシアの豊富なニッケル資源を背景に中国の主要バッテリー企業は現地で工場を建設。モーターや電動制御などの中核部品産業も同時に海外展開を進めている。
中国経済網は「技術ライセンス供与、合弁工場の設立、資本提携などの方式を通じて、ASEANの現地自動車メーカーとより深い協力を展開し、電動化およびスマートコネクテッド技術を輸出し、タイ、インドネシア、ベトナムなどの重点市場を開拓していくことも考えられる」との見方を示した。(編集/日向)











