2026年5月25日、シンガポールメディアの聯合早報は、製造拠点が中国からベトナムへ移転してもサプライチェーンの中核は中国に依存しており完全な脱中国は困難だと報じた。

記事は、ベトナム北部のタイグエン省でサムスンのスマートフォンが、南部ビンフォック省で電動ソファがそれぞれ欧米向けに出荷されるなど製造業の移転が鮮明になっていると紹介。

一方で、実際の製造工程では依然として中国企業が提供するカメラモジュールや電池セル、高密度回路基板といった重要な中間財に強く依存している実態を伝えた。

そして、ベトナム側は単なる組み立て拠点からの脱却を目指して国内サプライヤーの育成を図っているものの、労働力の技能レベルや電力供給の安定性、物理的インフラの質といった面で付加価値の高い製造業の需要に応えるにはまだ多くの制約があるという専門家の見解を紹介した。

また、デサン・ザイラ・アンド・アソシエイツのASEAN地域ディレクターであるマルコ・フェルスター氏が、世界で最も完成された産業体系を持つ中国に隣接しているからこそベトナムは理想的な輸出拠点になり得たと述べ、このつながりを断てば余計なコストと複雑さが生じると指摘したと伝えている。

記事は、中国企業自身も関税回避などを目的にベトナムでの工場建設を増やしつつも、核心的な部品の生産や技術管理、研究開発といった上流工程は中国側にとどめる戦略をとっていることにも言及した。

このほか、パシフィック・フォーラムのスティーブン・オルソン上級研究員が、進んでいるのはデカップリングではなくサプライチェーンの再構築であるとともに、中国の関与を隠すためにサプライチェーンの構造がより複雑化するとの見方を示したことを紹介した。(編集・翻訳/川尻)

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