「アライバルビザ」は本来、到着した空港や国境の入国審査カウンターでその場でビザを申請・取得できる制度を指すが、中国の若者の間では最近、旅行先で有名な観光スポットなどに行って、どの都市に行ったか一目でわかる写真や動画を撮影するという意味で使われるようになっている。中国新聞網が伝えた。
「00後(2000年以降生まれ)」の旅行好きな張天(ジャン・ティエン)さんのスマホにはさまざまな都市で撮影した「アライバル写真」がたくさん保存されている。「一種のセレモニー感。どれも最高の撮影スポットで撮影した写真だ。せっかく行ったのだから、他の人が見てもどの都市に行ったのか一目でわかる写真ぐらい撮影しないと。切手を収集するような楽しさがある。『アライバル写真』は単に観光スポットで撮影した写真より面白く、その都市特有のユーモアやロマンチック込められている」と話す。
安徽省の安慶師範大学・伝媒学院の蔡小華(ツァイ・シャオホア)准教授は、「『アライバル写真』は文化的アイコンの一種になっており、短期間のうちに流行し、高い話題性を生み出している。若者はもともとネット上のポップカルチャーに敏感なため、積極的にそれを吸収する」との見方を示した。
「アライバル写真」の流行は人気観光スポットに長蛇の列ができていることに直接反映されている。労働節連休(5月1~5日)後には、ソーシャルメディアで「並んだ時間は3時間、撮影時間は1分」というお約束のネタが話題になった。四川省アバ・チベット族チャン族自治州にある四姑娘山は雪山の頂上で朝日を見るために早朝から山登りをする観光客で大混雑した。標高約5000メートルの位置で、頂上で写真を撮影するために、1時間以上並ばなければならないほどの人気となった。
アライバル写真は経済効果ももたらしている。内モンゴル自治区のオラーンハダ火山景勝地では、宇宙服を着たたくさんの観光客でにぎわっている。2025年に同景勝地を訪問した観光客は延べ434万8000人に達し、観光収入は34億7000万元(約798億1000万円)に達した。
さらに、アライバル写真の流行の波は晋江が泉州湾へと流れる河口に位置する福建省の蟳埔村にまで押し寄せている。蟳埔村の女性が髪を後ろで巻貝のような形に結い上げて、その真ん中を動物の骨製の簪で固定し、その周りをモクレンやツバキ、菊の花を挿して飾る「簪花圍」という風習が人気となり、それを体験しようと観光客が押し寄せている。25年に蟳埔村を訪問した観光客は延べ930万人、観光収入は20億元(約460億円)に達し、蟳埔村とその周辺の消費を70億元(約1610億円)以上押し上げた。(提供/人民網日本語版・編集/KN)











