若者の失業率が高い中国で就職活動中の大学生を狙った求人や実習をめぐるトラブルが相次いでいる、と中国紙が伝えた。中国当局は虚偽求人や違法な費用徴収、無許可の職業紹介、就職差別など人材市場の秩序を乱した典型事例を公表。
東方新報によると、江蘇省のある企業管理サービス会社は別の会社と協力し、学生の実習派遣や配属先の手配を行っていた。こうした行為は人的資源サービス機関などを通じて学生実習を組織・管理してはならないとする中国の職業教育法に違反するとされる。
当局は学生が実習協定などを結ぶ前に仕事内容、勤務時間、報酬、違約責任などを十分確認するよう求めている。特に「実習」を口実に保証金や研修費、健康診断費などを請求するケースには注意が必要だという。
高収入をうたう求人詐欺も発生。ある情報科技会社の関係者は大手求人サイトに高待遇の物流作業員の求人広告を掲載し、求職者を物流園区周辺で面接させた上、「保険加入が必要」などとして300~500元(約6978~1万1631円)を徴収していた。最終的に計1万3500元(約31万4041円)をだまし取ったとして、関係者は詐欺罪で処罰された。
南京市の配送会社などは物流会社の「貨拉拉(Lalamove)」のブランドを偽装し、高収入の小型トラック運転手を募集。安定した仕事や最低収入保証を約束し、求職者に市場価格より高額な小型トラックを購入させていた。
しかし、実際は単発の配車が中心で、返品を求めた人には違約金などを請求していた。この事件では計300万元(約6978万6900円)余りがだまし取られ、関係者4人に有罪判決が下された。
「未経験でも副業可」「研修後に案件を紹介」などの言葉を使った「求人を装う研修ビジネス」も問題になっている。ある教育科技会社は動画編集や宿題添削の副業求人を掲載した後、「スキル不足」を理由に応募者へ研修契約を結ばせ、4500元(約10万4680円)の研修費を請求していた。調査の結果、同社には人材サービスや職業訓練の許可資格がなかったという。
さらに、他社名義をかたった求人掲載や「男性限定」など性別制限を設けた違法求人も確認された。オンライン求人の普及で便利になった一方、無許可の仲介業者も紛れ込みやすくなっている。
専門家は「大学生の求職活動は単に仕事探しではなく、法的リスクを見極める過程でもある」と指摘。求人の真偽や企業資格を確認し、契約内容を慎重に読むことが重要だとしている。当局も求職者に対し「確認してから応募して内容を理解してから署名し、送金前には一度立ち止まる」よう注意を喚起している。(編集/日向)











