河南省新郷市中級人民法院は2026年5月29日、劉応成被告に業務上横領罪、資金流用罪、非国家公務員収賄罪、贈賄罪を理由に、懲役24年と罰金350万元(約8200万円)を科す一審判決を言い渡した。劉応成は釈永信の法名で同省の登封市にある嵩山少林寺のトップの「方丈」を25年余りにわたって務め、武術などを売り物に同寺を「経済事業体化」して大成功して、「少林寺CEO」などと呼ばれた。
裁判は劉被告について、少林寺の住職や少林慈善福祉基金会会長などの職務上の地位を利用して、「03年から25年にかけて、単独あるいは他人と結託して組織の財産である人民元1億3100万元余り(約31億円)を不法に横領した」「06年7月以降、業者に少林寺の工事や関連する経営活動を請け負う際に便宜を図り、合計で人民元1163万元余り(約2億7000万円)に相当する金品を不法に受け取った」「1995年から2022年にかけて、不正な利益を得るために、国家公務員に対して人民元計567万元余り(約1億3000万円)に相当する金品を与えた」などとする判断を示し、「金額が極めて大きく、贈賄の状況は極めて悪質であり、犯罪行為の継続期間が長く、危害の結果が深刻で、社会への悪影響が大きい」として、懲役24年などの有罪判決を言い渡した。
劉被告は判決言い渡しの後、判決を受け入れて控訴しないと表明した。
劉被告に対する事情聴取は、25年の初頭から始まっていた。当初は活動を続けていたが、25年7月8日を最後に、劉被告の活動は報じられなくなった。同月25日深夜には連行されて、改めて尋問を受けることになったとされる。
少林寺および同寺に伝わる武術の知名度が一挙に高まったのは、1982年に公開された映画「少林寺」がきっかけだった。当時は、多くの少年が武術を学ぶことにあこがれて、家出をして少林寺に向かうなどの社会問題も発生した。
劉被告は99年に同寺の方丈に就任した。それ以前の90年ごろから、武術僧のチームを各地に派遣するなどで寺の「ビジネス集団化」を推進し、経済状況を飛躍的に向上させ、さらに得た利益を再投資して寺の事業を大幅に拡大したので、「少林寺CEO」などと呼ばれた。劉被告は河南省仏教協会会長や中国仏教協会副会長にも就任した。
しかし、僧侶としての「品行」について問題視する声もあった。2015年には、インターネットに「釈永信(劉被告)は数人の情婦を囲っている。子もいる」などとする投稿があった。中国の仏教では「僧侶は妻帯しない、女性と関係を持たない」などの戒律がしっかりと守られており、しかも投稿では相手として尼僧の名も挙げられたことで大スキャンダルに発展した。劉被告は完全否定し、当局の関連部門も調査に乗り出したが、同年11月に「劉被告に私生児はいない」と発表した。
劉被告が身柄を拘束された25年7月27日の深夜には、少林寺のSNSの公式アカウントに「少林寺住職の釈永信には、プロジェクト資金や寺院資産を流用あるいは横領した刑事犯罪の疑いがある。また、仏教の戒律に著しく違反し、長期にわたり多くの女性と不正な関係を保ち、私生児をもうけた。現在、複数部門による合同調査を受けている」などとする文章が掲載された。ただし、この文章はその後、削除された。(翻訳・編集/如月隼人)











