2026年5月26日、中国メディアの人民日報は、中国発の知的財産(IP)コンテンツが欧州で人気を拡大していると報じた。

記事は、「ドイツ初のPOP MARTが昨年ベルリンに開業して以来、来客が絶えず、人気商品・ラブブは現地SNSでも話題となっている。

今年3月には『アニメ界のアカデミー賞』とも呼ばれるフランスのアヌシー国際アニメーション映画祭が26年のコンペティション部門ノミネート作品を発表し、中国のオリジナルSF3DCGアニメ『霊籠:INCARNATION』(第2期)』がテレビシリーズ部門に選出された。これは中国SFアニメ作品として、同映画祭の中核コンペ部門に進出した初の作品である。現在、中国発のIPコンテンツは多様な形で海を越え、欧州で着実にファンを増やしている。特に若者たちをつなぐ文化的な架け橋となり、中外文化交流をより豊かにする新たなプラットフォームとしても機能している」と述べた。

そして、「中国発の森の妖精・ラブブは、なぜ欧州でここまでの消費ブームを巻き起こしたのか。先日、ベルリン・アレクサンダー広場にあるPOP MARTのドイツ1号店を訪れ、その理由を探った。ハンブルクから訪れた23歳の大学生アンリストさんは『TikTokでラブブの開封動画を見てはまった。ブラインドボックスを開ける瞬間のワクワク感がたまらない』と語った。また、ザクセン州から車で訪れ、一度に500ユーロ(約9万円)分の商品を購入した若者・シンシアさんは、『商品数が多すぎて目移りした。欲しいモデルが売り切れているか心配だったが、たくさん買えて本当にうれしい』と笑顔を見せた」と言及した。

記事は、「このようにSNSをきっかけに来店する若者は少なくない。世界最大級の総合コンサルティングファーム・PwCの調査によると、ドイツの18~24歳の若者の約75%がSNSを通じて購買情報を得ており、半数以上がインフルエンサーの推薦によって商品を購入しているという。

また、ドイツ玩具協会によると、IP系玩具は国内玩具市場の約28%を占めており、コレクション玩具への需要は拡大を続けているそうだ。この傾向は、大人が童心を持ち続ける『kidulting』文化とも強く結びつき、中国発のIPコンテンツが欧州へ広がる重要な土台となっている。消費者によってPOP MARTに魅力を感じるポイントは異なるものの『お気に入りを引き当てたい』という期待感は共通しているのだ」と論じた。

さらに、「POP MART欧州責任者のピーター・シップマン氏は『ドイツの活気あるクリエイティブ文化と熱心なコレクター層により、欧州市場への期待は非常に大きい』と語り、多くの現地住民が今年のワールドカップ期間中にPOP MARTとFIFAが共同展開する『ラブブワールドカップシリーズ』に期待を寄せているとして『ラブブが黄金のトロフィーを掲げれば、中国発IPコンテンツのブームが再び起こるだろう』と述べた。また、中国発のIPコンテンツの人気拡大は、関連商品の売上増加にも直結している。POP MARTの25年売上高は371億2000万元(約8710億円)で前年比184.7%増、そのうち欧州地域は前年比506.3%増という大幅な成長を記録した。海外メディアは、POP MARTに代表される中国の新世代トレンドブランドは、独自の物語と美意識を通じて国際的存在感を更新し続けていると分析している。中国から来た小さなフィギュアは、中国文化の温もりを宿し、世界中の消費者の感情的共鳴と文化的欲求を呼び起こしているというわけである」と伝えた。

また、「ラブブの大ヒットは、中国発のIPコンテンツが欧州で人気を集めている現象の一端に過ぎない。現在ではアニメ映画やオンラインゲームなどのオリジナルIPコンテンツも、欧州の人々が中国に興味を持ち、親しみを抱く重要なきっかけとなっている。25年には、中国のアニメ映画『ナタ 魔童の大暴れ』が世界興行収入159億4900万元(約3743億円)を記録し、アニメ映画史上最高記録を打ち立てた。『映像が美しく迫力満点で物語も起伏に富んでいる』『ドラゴンのデザインが神秘的で格好いい』『中国アニメの技術水準に驚かされた』など、ドイツの観客からも絶賛の声が相次ぎ、映画評論家のジョナス氏は『中国伝統文化の核心と現代的な物語表現が融合し、東洋文化特有の味わいを保ちながら世界の観客にも通じる美的感覚にも合致している』と評価した」とした。

続けて、「中国の雑貨ブランド・MINISO(メイソウ)は『100の中国IPコンテンツ海外進出計画』を打ち出し、優れたオリジナルIPコンテンツと提携することで、多様な文化表現を模索している。さらに、オンラインゲームも重要な海外展開手段の一つである。25年にドイツで開催されたケルン国際ゲームショウでは、中国のゲーム作品が高い注目を集めたのだ。ゲーム会社・Game Scienceによる『黒神話:鍾馗』は『黒神話:悟空』に続くシリーズ新作。中国ゲームとして初めて世界的ゲーム展示会のフィナーレを飾った。中国ゲームの人気は、欧州の若者が中国文化に興味を持つきっかけにもなっている。海外のゲームフォーラムでは『西遊記』など中国古典文学を自主的に学ぶプレイヤーが増え、東洋文化の概念について盛んに議論が行われている。中国のソーシャルゲーム会社・miHoYoにより開発された『原神』では京劇の歌唱法や獅子舞など、無形文化遺産の要素が取り入れられ、欧州の若者に中国文化の魅力を体感させている」と説明した。

記事は、「中国企業のグローバル進出を支援する国際的なブランドコンサルティング会社・美訊iMpactのCEOであるクリス・ペレイラ氏は、英国BBCの取材に対し『IPコンテンツの開発において、中国の存在を無視することはできない』と語った。中国発のIPコンテンツが海外で継続的に人気を集めているのは偶然ではなく、デザイン、生産、コンテンツ制作、文化融合、そして消費者心理の分析まで含めた一連の流れによって、海外展開における新たなモデルを築き上げているからである。現在、欧州で主要な消費層となりつつある若い世代は、製品の機能だけでなく、感情的価値や文化的アイデンティティー、さらにはソーシャル体験も重視している。ドイツの小売戦略専門家のガリア・ブスタニ氏は、中国企業はIPコンテンツを通じて海外消費者との感情的共鳴と文化的共感を実現しており、それが若年層の『個性表現』や『感情的なつながり』へのニーズに正確に合致していると指摘した。

これこそが、中国発のIPコンテンツが欧州で定着し、人気を得られている重要な要因である」と強調した。

また、「高品質な制作と技術力も人気の鍵である。『ナタ 魔童の大暴れ』は制作に5年半を費やし、4000人以上のクリエイターが参加した。特撮カットは約2000に及び、細部に至るまで徹底的に作り込まれている。『黒神話:悟空』の開発期間も6年以上に及び、高水準の映像体験を実現している。欧州業界関係者からは『ゲーム中の壁画や彫像を10倍に拡大しても細かな模様や装飾が鮮明に見える。このこだわりには敬服する』と驚きの声が上がっている。さらに、IP創作、製品生産、マーケティングに至る各段階が連携することで、海外普及に大きな推進力を与えている。例えばPOP MARTは、世界各地の優秀なアーティストと提携し、多様なIPコンテンツを展開している」と紹介した。

そして、「英誌・エコノミストは、中国がAIの大規模モデル、電気自動車、ドローン、オリジナルゲームなどを通じて『よりクールな国』へ変化している鍵はイノベーションにあると論じた。また、フランス市場調査会社・ダルシー・コンサルティングのアリソン・マルムステン氏も『中国は今、ソフトパワーの転換期を迎えており、その商品と文化イメージは西側の若者の間でますます人気を高めている』と指摘する。中国発のIPコンテンツの欧州での人気拡大は、まさにこの『ソフトパワーの転換』を象徴する現象であり、中外文化交流に新たな活力を与えているのである」と結んだ。

(翻訳・編集/岩田)

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