中国のポータルサイト・捜狐に28日、「家電はなぜこっそりと値上げしているのか」との記事が掲載された。
記事は、「家電がいつの間にか高くなっているとの声が中国で広がっている」と指摘。
そして、福建省在住の女性の話として、最近、新居用に家電をそろえていた際、気になっていた食洗機の価格が大幅に上昇していることに気付いたと紹介。4月末の時点でも前年のセール時より数百元(1元=約23円)高かったが、近ごろは各種割引を適用してもさらに600元(約1万4000円)以上値上がりしていたという。
こうした状況は一部の消費者だけの感覚ではないといい、SNS上では「テレビも冷蔵庫もエアコンも高くなった」との投稿が相次いでいる。実際、中国では今年春ごろから、美的(Midea)、ハイアール、ハイセンス、TCL、パナソニックなど複数メーカーが出荷価格を引き上げたと報じられており、値上げ幅は5~20%に達するケースもある。
記事によると、背景にあるのは原材料価格の高騰。特に影響が大きいのが銅価格で、AI(人工知能)データセンターや新エネルギー分野の需要拡大により、ここ1年で急騰した。銅はエアコンや冷蔵庫、洗濯機の圧縮機や配管などに大量に使われており、家電メーカーへの打撃は大きい。さらにアルミやプラスチック、AI向け半導体なども値上がりしており、コスト増が続いている。
AI家電ブームも新たな負担となっている。高性能AIチップやメモリー価格の上昇によって、スマートテレビや高機能冷蔵庫など「頭脳」を搭載した家電ほどコスト増の影響を受けやすくなっているという。
ただ、事情はそれだけではないようだ。
こうした中、メーカーは「安売りによる消耗戦」から脱却し、利益を確保する方向へ転換しつつあるとみられている。業界関係者は「銅の価格高騰はきっかけに過ぎず、家電業界は『価格で量を取る』時代から『利益を守って生き残る』時代へ移行し始めている」と指摘する。
記事は一方で、消費者側が値上げを素直に受け入れるかは不透明と指摘。「家電は耐久消費財であり、まだ使えるから買い替えないという選択も可能だ。そのため今後は、体力のある大手メーカーが生き残る一方、中小メーカーは一段と厳しい競争にさらされるとの見方も出ている」と伝えた。(翻訳・編集/北田)











