フランスメディアのRFIは29日、ブルームバーグの記事を引用して、中国当局が、中国人の海外における資産運用について課税を行うなどの「強力規制」を進めていると紹介する記事を発表した。中国本土(大陸部)に住む中国人が海外で証券を直接売買することは、認められた少数の方法を除いて違法だったが、これまで政府は各種の抜け穴を「見て見ぬふりをする」状態だったので、多くの人は政策として黙認されていると考えていた。

大きな変化の一つは、海外で株式を取引してきた人の多くが突然に運用利益についての納税を要求されたことだ。投資ルートも閉鎖された。また、人気のある証券会社3社は、3億3000万ドル(約530億円)以上の罰金の対象になる可能性があると言い渡された。また、銀行に対する監督も強化するとの説明もあった。

中国当局の方針転換により、中国本土からの資金流入の恩恵を受けてきた香港株式市場、中国人の海外での資産管理を支援する法律事務所、金融顧問、さらに投資ファンドにも影響が波及している。

ロイター通信も、中国当局が越境投資の取り締まりを開始したので、香港の外資系銀行と中国系銀行が当局による新たな要求に合致するよう迅速に行動をとっていると指摘した。例えば、香港最大の銀行であるHSBCは、投資口座の開設を申請する中国本土の顧客に対し、その資金が中国本土外に由来することを確認する書類に署名することを求めるようになった。

ブルームバーグの記事はさらに、中国人は長年にわたり、監督管理機関と資金流出の「いたちごっこ」を展開してきたと指摘した。中国の公式規則では、1人当たりが毎年合法的に両替して海外に持ち出せる限度額は5万ドル(約800万円)だが、多くの人が地下銀行、暗号資産、さらには架空の輸入などの方式によって、それより多くの資金を海外に移してきた。中国当局は過去数年にわたり、資本の海外流出を引き締めてきた。

また、当局の「引き締め政策推進」が明らかになる前に、税務調査を受けた人がいたとされる。対象は多くの場合、3000万ドル(約48億円)を超える資産を持つ富裕層だった。

中国出身者だが、外国の国籍を取得してから、改めて中国に長期居住するようになった人が対象とされた場合が多かった。そのような人の一部はオフショア信託構造を使用して資産を管理してきた。事情通によると、そのような人は最高で20%に達する投資収益税を徴収される可能性があり、同時に延滞金と罰金を納付する必要も出てくる。ただし最終的な納付金額は当局側との「交渉」で決まる場合がある。

今回の「整頓行動」はここ数年で最も強硬なものとされる。ブルームバーグによると、当局の多くの部門が共同で方策を発表し、中国本土の投資家向けの非合法な海外投資サービスを取り締まることを申し合わせた。監督管理部門はまた、銀行はより厳格な審査を受けることになり、越境投資家に口座サービスを提供する機関は法令順守の管理を強化せねばならないと警告した。香港の監督管理部門もその後、本土の住民が香港で口座を開設する場合の監督管理を強化すると表明し、放任した場合のマネーロンダリングのリスクを強調した。

中国当局による関連した動きの背景には中国の地方財政が急速に悪化していることがあるという。つまり、新たな税金の財源を探さざるをえないという事情だ。一部の投資家は将来のより大きな監督管理と税務リスクを回避するため、自発的に海外市場から撤退し始めた。中国本土の住民が海外市場に投資することはさらに難しくなる可能性があり、口座開設、両替、資金移転、海外資産の申告が、より厳格な監督管理に直面することは避けられない情勢だ。

(翻訳・編集/如月隼人)

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