中国各地で宇宙算力(スペース・コンピューティング)関連プロジェクトが本格化しています。6月1日、北京市初の宇宙算力産業イノベーションセンターの設立が発表されました。

ある機関の予測によりますと、2030年に世界の宇宙経済の市場規模は1兆ドル(約159兆8800億円)を超える見込みです。

宇宙算力とは、半導体やサーバーなどの計算用ハードウェアを宇宙空間に配備し、衛星上でデータ処理を行う技術です。AIの爆発的な発展に伴い、計算能力への需要が急増する一方、地上のデータセンターは消費電力や排熱、土地資源などの制約を受け、発展のボトルネックが日増しに顕在化しています。

中国の業界予測によりますと、2024年から2030年にかけて、国内データセンターの電力消費量は年平均約20%増加し、社会全体の電力消費量の伸びを大きく上回る見通しです。宇宙算力は電力使用効率(PUE)が1に近く、地上のデータセンターが抱える制約を打破し、AI大規模モデルの学習や世界的なデータのリアルタイム処理に、低コストかつ環境に優しい計算能力を提供できると期待されています。

5月中旬には、上海宇宙算力産業エコシステムパートナー計画が正式に発足しました。復旦大学が理事長単位を務め、第1陣として16の機関・企業が参加しています。29日には国家スーパーコンピューター天津センターが複数の重点実験室と連携し、「宇宙デジタルインテリジェンスインフラ合同研究体」の設立を発表しました。

専門家は、宇宙算力の整備は国家の安全と権益の保障に寄与すると指摘しています。2025年末、中国は国際電気通信連合(ITU)に対し、14の衛星コンステレーションをカバーする20万3000基の衛星の周波数および軌道資源の新規割り当てを申請し、将来の宇宙開発に向けた基盤づくりを進めています。

同時に、産業の高度化にも貢献します。宇宙算力は宇宙開発、AI、通信、エネルギー、スマートコンピューティングなど多分野の技術を融合したもので、産業チェーンが長く、複数分野にまたがる協同イノベーションを促進します。

これにより、新たなビジネスモデルを創出し、新質生産力の発展を後押しします。

米国、EU、ロシア、日本も宇宙算力関連産業の技術開発に取り組んでいます。現在、衛星間通信やエネルギー・熱管理技術、さらには実用化やビジネスモデルの構築といった面で多くの現実的な課題が残されています。これにより、宇宙は大国間の技術競争における新たな舞台であると同時に、将来の協力に向けた新たな方向性ともなっています。(提供/CGTN Japanese)

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